診断コンテンツの作成方法から活用方法まで、診断のすべてがわかるメディア

レコメンドで売上2倍!初心者でもわかる導入ガイドと成功事例8選
レコメンドとは、顧客の好みやニーズに最適化した情報や商品を提供する仕組みです。今、なぜ多くのユーザーからレコメンドが求められているのか?その理由をサイトや商品の具体事例とともに解説します。また、レコメンドに大きな効果を発揮する「診断コンテンツ」についても紹介します。
更新日:2025/02/28 公開日:2023/01/25
レコメンドとは、ユーザーの嗜好や行動履歴などをもとにして、おすすめの商品やサービスを提案する仕組みです。レコメンドには「おすすめする」という意味があり、レコメンドを活用することで、ユーザーが商品を探す手間を省きながら、購入へとつなげられます。
現在、レコメンドは多くのECサイトなどで活用され、売上やコンバージョンなど、ユーザーの消費行動に大きな影響を与えています。
しかし、レコメンドの魅力は知っているものの、自社での活用イメージが湧かない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、レコメンドが求められている理由を踏まえながら、レコメンドを活用して成功した事例を6つ紹介します。レコメンドの導入に興味のある方は、ぜひご覧ください。
※当コンテンツは、レコメンドに有効な診断作成ツール「ヨミトル」を提供するピクルスが監修しています。
▼関連記事
商品レコメンドに効果的な「診断コンテンツ」業界別の活用事例を紹介
目次
レコメンドとは
レコメンドとは、日本語では「おすすめ」「推薦」を意味します。
デジタルマーケティングの領域では、Webサイトやアプリで「レコメンド機能」として実装されており、ユーザーの閲覧履歴や購入履歴などのデータをもとに、おすすめの商品やコンテンツを表示する仕組みを指します。
Amazon、Netflix、TikTokなどの大手サービスでは標準的に導入されており、現代のオンラインビジネスにおいては不可欠な機能となっています。
ユーザーにとっては自分で探す手間が省け、自分のニーズに合った情報を効率的に見つけられるというメリットがあります。企業側にとっては、購入単価や顧客生涯価値(LTV)の向上、ユーザー満足度の改善といった効果が期待できます。
レコメンドとリコメンドの違い
結論、「レコメンド」と「リコメンド」がもつ意味は同じです。
ビジネスやシステムの文脈では「レコメンド」が主流であり、多くの企業や専門サイトでは「レコメンド機能」「レコメンドシステム」と表記しています。
なお、日本語としての正確さを重視するなら、どちらも外来語であるため「おすすめ」「推薦」という日本語を使うことも多いですが、デジタルマーケティングやECの専門用語としては「レコメンド」が定着しています。
レコメンド用語集
レコメンドアイテム | 顧客におすすめする商品のことです。ECサイトなどでは、お店側が戦略的に選定した商品か、レコメンドエンジンがデータにもとづいて自動抽出した商品のいずれかが表示されます。 |
レコメンデーション | 顧客データを分析し、最適な商品をおすすめするためのソフトウェアやシステムです。「この商品を見た人はこんな商品も見ています」「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった形で関連商品を表示するのが主流です。 |
レコメンドエンジン | ECサイトなどでユーザーに対して行うおすすめ表示のことです。Amazonや楽天などで見られる「こちらもおすすめです」という商品提案や、ネット検索後に広告で表示される関連商品などを指します。 |

ビジネスにおけるレコメンドの意味とは?
ビジネスにおけるレコメンドとは、ユーザーの属性や購買履歴、閲覧履歴、評価履歴などのデータを機械学習やAIの技術によって解析し、ユーザーに最適な商品やサービスを表示することです。
レコメンドの実装により、ユーザーが商材に対して反応する可能性が高まり、売上やサービス利用などの消費行動に大きな影響を与えます。
今やレコメンドが利用されているシーンは多岐に渡り、ショッピングや動画や音楽の配信、金融、マッチングサービスなど数多くのサイトで活用されています。
なかには、診断コンテンツを用いてユーザーがもつ細かなニーズに対応した商品やサービスを提案するという、より精度の高いレコメンド機能を用いているサイトもあります。
▼レコメンドにおける診断の活用事例「スキンケア診断」
上記の診断では、設問によってユーザーの肌タイプを分析し、タイプに応じたスキンケア商品を提案します。
こういった診断を活用したサイトでは、レコメンドによってユーザーの満足度やエンゲージメントを高めるとともに、売上や利益を増加させるなど、数々のプラス効果を得ています。

レコメンドが求められる理由
現在、レコメンドは数多くのサイトに導入され、ユーザーの消費者行動を大きく後押ししています。
シルバーエッグ・テクノロジー株式会社の調査によると、ファッション業界のECサイトにおけるレコメンド経由のコンバージョン率は13.11%におよんでいるという結果が出ています。
参照:「【独自調査】ファッションECサイトにみるレコメンドエンジンの効果 2022レポート発表」
また、顧客数やデータ量が多い大規模サイトでは15%までコンバージョン率が高まり、AIの学習精度向上の効果があるのではないかと考えられています。
このようにユーザーの購買行動に影響するレコメンドは、なぜ、ここまでユーザーから求められているのでしょうか。
理由その1:判断するのは重労働だから
人が「おすすめ」を求めるのには、脳の「判断疲れ」が大きく影響しています。
人の脳は毎日、約3万5,000回におよぶ様々な判断をしていると言われています。
実はこの判断という仕事は、脳にとって非常に負荷の高い仕事なのです。
脳の身体に占める重量の割合は、わずか2%前後です。
しかし、脳が消費するエネルギー量は、全エネルギーの約18%に及ぶと言われています。
それほど「思考」や「判断」という仕事は脳にとって重労働であり、判断が続くことは脳の疲労や判断力低下につながります。
例えば、みなさんが一日中活動して夜になると、頭がボーっとすることはありませんか。
これは脳が朝から多くの判断を行ったことで、疲労して上手く働かない状態になっているためです。
したがって、脳を使わずに自分に適した商品やサービスを見つけられるレコメンド機能は、現代人が本能的に求める優れた機能だと言えるでしょう。
理由その2:人は自分で判断したくないから
人がおすすめを求めるのは、人間の心理効果として「ウィンザー効果」が働くことも一因です。
ウィンザー効果とは、当事者よりも第三者が発信した情報の方が信頼されやすいという心理効果のことです。
この心理効果は、米国の作家アーリーン・ロマノネス(1923~2017)の著書『伯爵夫人はスパイ』(原題:The Spy Went Dancing)に由来すると考えられています。
この作品の中で、ウィンザー伯爵夫人が「第三者の誉め言葉がどんなときにも一番効果があるのよ」というセリフから用いられるようになりました。
人は自分で物事を判断する際、「その選択で本当に正しいだろうか」と悩み、脳に大きな負荷をかけてしまいます。
また、利害関係がある人からのおすすめは、「本当に自分のためを考えてくれているのだろうか」という疑念を抱いてしまうものです。
しかし、第三者には利害関係がないため「本当の情報である」と認識しやすく、ウィンザー効果が働くと考えられています。
その点、AIや診断コンテンツなどは、人を介在せずにおすすめを提案します。この人が介在しない仕組みを、ユーザーは「第三者」として認識する傾向があります。
自分で商品やサービスを探さなくても、第三者的なおすすめ情報を提供してくれる。
この機能により、ユーザーはレコメンドやサイトが自分にとって「やさしい」存在であると、認識するようになります。
そして、その認識は「自分のことを分かってくれている」という共感や信頼へと変わり、リピート率や顧客ロイヤルティの向上につながります。

レコメンドエンジンの仕組み
レコメンドエンジンは、以下5つのシステムによって構築されています。
1.協調フィルタリング
2.パーソナライズドレコメンド
3.コンテンツベースフィルタリング
4.ルールベースレコメンド
5.ハイブリッド・レコメンデーション・システム
6.行動ベースフィルタリング
それぞれのシステムについて解説します。
1.協調フィルタリング
協調フィルタリングとは、ユーザー間の相関関係を利用して、類似した嗜好をもつ他のユーザーの行動や評価をもとに商品を推薦するシステムです。
例:協調フィルタリングは主に2つのタイプに分かれる。
A ユーザーベース協調フィルタリング:似た嗜好をもつ他のユーザーが高く評価した商品を推薦
B アイテムベース協調フィルタリング:似た特徴をもつ他の商品の購入履歴に基づいて商品を推薦
2.パーソナライズドレコメンド
パーソナライズレコメンドとは、ユーザー個別の嗜好や行動履歴をもとに、個人に最適な商品やコンテンツを推薦するシステムです。
例:ユーザーの過去の行動や検索履歴、閲覧履歴などを分析して、個人の興味や関心にもとづいたレコメンデーションを提供する。
3.コンテンツベースフィルタリング
コンテンツベースフィルタリングとは、商品やコンテンツの特徴や属性にもとづいて、似た特徴をもつ他の商品やコンテンツを推薦するシステムです。
例:ある本が好きなユーザーには、同じジャンルや著者の他の本を推薦するなど、商品のメタデータ(属性情報)を活用する。
4.ルールベースレコメンド
ルールベースレコメンドとは、特定のビジネスルールやマーケティング戦略にもとづいて、あらかじめ定義されたルールに従って商品やコンテンツを推薦するシステムです。
例:新規ユーザーには特定の商品を推薦する、特定のプロモーション期間中には特定の商品を推奨するなど、あらかじめ設定された条件にもとづいたレコメンド。
5.ハイブリッド・レコメンデーション・システム
ハイブリッド・レコメンデーション・システムとは、複数のレコメンデーション手法を組み合わせて、各手法の弱点を補完しながら最適なレコメンドを提供するシステムです。
例:協調フィルタリングとコンテンツベースフィルタリングを組み合わせることで、冷スタート問題(新規ユーザーや新規商品のデータ不足問題)を克服する。
その他、パーソナライズドレコメンドやルールベースレコメンドも組み合わせることで、より精度の高い推薦が可能になる。
6.行動ベースフィルタリング
協調フィルタリングと類似した仕組みに、行動ベースフィルタリングがあります。
行動ベースフィルタリングとは、ユーザーの現在の行動データにもとづいて、リアルタイムで推薦を行う手法で、協調フィルタリングが過去の行動データに依存しているのに対し、行動ベースフィルタリングは現在の行動や直近のトリガー(例:ある商品をカートに入れた、特定のページを訪問した)に応じて、動的にレコメンドを生成します。

レコメンドをサイトに導入するメリット
学習機能やAI、診断コンテンツを利用したレコメンドは、サイト上での商品やサービス販売において、大きなメリットを発生させます。
ここでは、レコメンドをサイトに導入することで得られるメリットを4つ紹介します。
メリットその1:購入単価のアップ
レコメンドを上手く活用すれば、 クロスセルやアップセルの促進にもなり、購入単価のアップが期待できます。
例えば、ユーザーが購入する商品と関連の高い商品をおすすめすれば、カートや欲しいものリストへの追加が期待できます。
レコメンドされた商品はユーザーの嗜好やニーズに合っている可能性が高いため、同時購入率がアップするでしょう。
そういった施策に加え、レコメンド商品のレビューや評価を提示すれば、他のユーザーの声や実際の使用感を参考にしたり、商品の品質や信頼性を確認したりできます。
レビューや評価の表示は「ユーザーがもつ不安や疑問の解消」「商品に対する期待感の向上」などにつながり、ユーザーの購入率をさらに増加させます。
メリットその2:リピーターへの育成
商品やサービスを販売するサイトにとって、リピーターの増加は重要な要素です。その点、レコメンドは、リピーター育成と顧客ロイヤルティの強化において、とても高い効果が期待できる仕組みです。
例えば、メールマガジンやプッシュ通知などでレコメンドを活用すれば、最適なタイミングでおすすめをユーザーに通知できます。
これにより、ユーザーはサイトや商品に対する関心をもち続けるため、再訪や再購入の向上につながります。
また、ユーザーの購買履歴や購買頻度などに合わせて、ポイントやクーポンを提供するのも有効な手段です。割引や特典が魅力的であれば、次回購入への意欲を高められるでしょう。
メリットその3:商品提案力のアップ
商品提案力とは、ユーザーに最適な商品を見つけて提案する能力のことです。
ユーザーがまだ知らない新商品やサービスをレコメンドすれば、ユーザーがもつ選択肢や購入の幅を広げられます。発売直後の商品やサービスを告知するのもよいでしょう。
通常、商品提案を人間が行うと、個人のスキルにバラツキがあり、提案者によって顧客満足度に大きな差が生まれてしまいます。しかし、レコメンドを活用すれば個人によるバラツキがなくなり、提案力の底上げにつながります。
また、ユーザーの属性や行動履歴などをAIや機械学習で分析すれば、アルゴリズムに基づく最適な商品の提案が可能です。そこにユーザーの変化やトレンドなどをリアルタイムに反映すれば、熟練した提案者よりも良い提案ができるでしょう。
さらに、診断コンテンツやクイズなどを活用すれば、ユーザーはコンテンツを楽しみながら、自分の適性にあった商品やサービスを知ることができます。
特に診断コンテンツは、ユーザーニーズやライフスタイルを反映したレコメンドができるため、「顧客満足度の向上」「最適な商品・サービスの提案」の2点においてとても有効です。
▼診断を楽しみながら商品をおすすめする事例「ファッション×香り診断」
「ファッション×香り診断」では、今日の予定や好きな香りに合わせて、おすすめのファッションと香りを診断します。
メリットその4:信頼関係の構築
人には、「自分のことを理解してもらいたい」という承認欲求があります。
また、自分の承認欲求を満たしてくれる人に対しては、高い信頼感を抱くという効果が働きます。
ユーザーは精度の高いおすすめ情報を提供されると、「自分のことを分かってくれている」という感覚を持つようになります。
ユーザーにこの感覚を与え続けると、顧客はレコメンドやサービスに信頼感を抱くため、おすすめを提供した企業やサイトに対するロイヤリティへとつながっていくでしょう。
メリットその5:在庫管理の最適化
レコメンドエンジンは、ユーザーの行動データや過去の購買データ、トレンド情報を解析することで、特定の商品がどの時期に売れるか、どの地域で人気があるか、どの層に支持されているかなど、詳細な需要予測が可能になります。
売れ筋商品や季節商品の需要を予測することで、適切なタイミングで在庫を補充したり、適切な数量を確保できるので、在庫過剰や在庫不足といったリスクを軽減できます。
例えば、過去のデータから「夏季に特定の飲料がよく売れる」というトレンドが分かっている場合、需要予測をもとに、適切な数量を事前に発注しておくことで、在庫切れによる販売機会の損失を防げます。逆に、売れ行きが鈍くなる時期を予測しておけば、発注を抑えて、過剰在庫を抱えるリスクを避けることも可能です。
実際、株式会社メルカリは、レコメンド機能をもった診断コンテンツを作成し、リード情報を獲得するだけでなく、レポート画面で得た「アクセス」「シェア状況」といった情報をマーケティング活動に活用しています。
▼株式会社メルカリ『診断クラウド「ヨミトル」を使ってみた』
レポート画面で、アクセスやシェア状況も確認できるので、データを一括管理して、マーケティング活動に活用することができます。
診断クラウド「ヨミトル」を使うまでの診断コンテンツを制作するときの費用は、300万円ほどかかっていたのですが、この診断クラウド「ヨミトル」は、初期費用20万円・年間利用の場合は、月額費用8万円でコンテンツを作成でき、コストが削減できました。
引用元:kyozon

サイトや商品のレコメンド事例
レコメンドは、様々な業界や分野で活用されています。レコメンドの効果や仕組みは、サイトや商品の特徴や目的によって異なります。ここでは、実際にレコメンドを成功させたサイトや商品の事例を6つご紹介します。
Amazon
Amazonは、レコメンドシステムの代表例として有名な起業です。
Amazonが購入履歴からおすすめ商品を表示するシステムが完成したとき、当時のジェフベゾスCEOは開発者に土下座して感謝したというエピソードがあります。
参照:「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」ブラッド・ストーン (著)
レコメンドシステムは、Amazonが躍進する大きなきっかけになりました。
Amazonのレコメンドシステムは、ユーザーの購買履歴や閲覧履歴などをもとに、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」「この商品を見た人はこんな商品も見ています」などの関連商品やおすすめ商品を提案します。
また、レコメンドシステムは、ユーザーのレビューや評価を活用して、「お客様におすすめの商品」や「お客様の好みに合わせた商品」などの個人に合わせた商品を提示します。
これにより、ユーザーは自分に合った商品を見つけやすくなり、購入単価や購買頻度のアップ、ひいては満足度やロイヤルティを高めることに成功しました。
TikTok
TikTokは、動画サイトの王者であるYouTubeに挑む、人気が急上昇しているショート動画サービスです。
TikTokの特徴は、高度なレコメンドシステムで内容重視のおすすめを表示することです。
TikTokのレコメンドシステムは、ユーザーのフォロー履歴やいいね履歴などだけでなく、動画の再生時間やコメント数などの指標も考慮して、おすすめタブに動画を表示します。
参照:『TikTokが「おすすめ」に動画をレコメンドする仕組み』
これにより、ユーザーは自分の興味や関心に合った動画を見つけやすくなり、視聴時間や回遊率が高まります。
また、TikTokのレコメンドシステムは、ユーザーの嗜好や行動履歴をリアルタイムに分析し、最新のトレンドや話題に合わせた動画を表示します。
これにより、ユーザーは常に新鮮で面白い動画を見ることができ、TikTokを更に利用するという好循環が生まれています。
Netflix
Netflixは、世界を席巻するストリーミングメディアサービスです。
Netflixの特徴は、高度なレコメンドシステムでユーザーに合った動画コンテンツを提案することです。
ストリーミングメディアサービスは、ユーザーが見たい動画コンテンツを発見できないとすぐに飽きられてしまい、サービスの解約に至る可能性があります。
そのため、ストリーミングメディアサービスにとって、レコメンドシステムはユーザーの満足度や継続率を高めるための重要な要素です。
Netflixのレコメンドシステムは、ユーザーがどのようなジャンルやタイプの動画を見たり、評価したり、中断したりするかを分析しています。
また、動画のタイトルやキャストや監督などのメタデータだけでなく、動画の映像や音声や字幕などの素材も分析の対象です。
レコメンドシステムは、これらの膨大なデータを分析し、ユーザーニーズと動画の内容をマッチングさせて、おすすめを表示します。
また、Netflixのレコメンドシステムは、視聴する度にデータを更新、分析しています。
その成果により、ユーザーは最新のトレンドや話題に合わせた新鮮で面白い動画コンテンツを視聴でき、解約によるユーザー離れを防いでいるのです。
横浜銀行
横浜銀行は金融業界のなかでも、いち早くレコメンドを取り入れた企業として有名です。「結婚費用の貯蓄」や「マイホームの購入資金」などの定量的なデータをもとに、金融商品を推奨するレコメンドエンジンをホームページに導入しました。
これにより、店舗での対面営業と同様に、ウェブサイトにおいても、お客様のライフステージやスタイルを精緻に把握し、最適な商品を推奨できるようになりました。
また、中小企業への円滑な資金供給に向けた取り組みとして、レコメンド型オンラインレンディングの取り扱いを開始しています。
オンラインレンディングとは、中小企業など一部の事業者に対して、入出金履歴などのビックデータを活用して事前審査を行い、オンラインで融資の手続きを行えるという仕組みです。
このように、横浜銀行は各種サービスでレコメンドを活用して、顧客満足度や売上の向上を図っています。
アルビオン
アルビオンは、高級化粧品を販売する大手化粧品メーカーです。
アルビオンのレコメンドシステムは、診断コンテンツを活用しておすすめ商品を提案しています。
ハーバリウムというユーザーの興味・関心を惹きつける要素で、肌リウム(診断コンテンツ)への参加に誘導し、多くのユーザーを獲得しました。
設問への回答が終わり、最終的な診断結果ページで商品のサンプル配布をレコメンドで表示し、認知拡大に成功しています。
その結果、肌リウムに参加したユーザーの1割以上が店舗に来店するという成果が生まれました。
※「肌リウム」診断
https://pickles.tv/works/hadarium/
Atrae
レコメンドは、恋愛やビジネスなどのマッチングアプリでも活用されています。
たとえば株式会社アトラエが提供するビジネスマッチングアプリの「yenta」は、人工知能(AI)により選出されたビジネスパーソンのプロフィールが、レコメンドで毎日10名分表示されるシステムです。
「yenta」を利用すれば、自分の性格や特性、居住地など、さまざま観点から人工知能が分析を行い、自分に適したビジネスパーソンを紹介してくれます。
お互いに知り合いたい人物が積極的に表示されるため、マッチ率の向上につながっています。
よーじやグループ
よーじやグループでは、診断コンテンツの活用により、EC流入率を3倍にし、リアル店舗とデジタルでの商品レコメンドを向上させました。
診断コンテンツを活用することで、店頭の接客のようにパーソナライズされた提案をし、選択に迷ったユーザーの離脱を防ぎました。結果、ECへの遷移率が促進され、売上拡大へとつながっています。また診断コンテンツの導入により、実店舗のスタッフの工数削減にもなりました。
▼導入した診断コンテンツ
https://www.yojiyacosme.com/f/su-ha/shindan
株式会社フィッツコーポレーション
株式会社フィッツコーポレーションでは、公式LINEに登録していないユーザーと化粧品に興味のある潜在層に向けて、広告を配信。広告内でユーザーの「診断してみたい」という気持ちを高めたうえでLINEに誘導し、ともだち登録率10%以上を達成しました。
誘導した診断コンテンツ内では、自分に合った香水が分かるようにすることで商材や企業への愛着化につなげています。
このように、診断コンテンツはレコメンドとしての役割だけでなく、「診断したい」というユーザーの興味関心を引くツールとしても活用できます。
▼導入した診断コンテンツ
https://fitsonlinestore.com/f/minimoreperfume/top
▼関連記事
商品レコメンドに効果的な「診断コンテンツ」業界別の活用事例を紹介

レコメンドエンジンの選び方とポイント
ここでは、レコメンドエンジンの選び方とポイントを解説します。
費用対効果を重視した適切な選択をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
導入の目的
まずは、導入の目的を明確化しましょう。
例えば、下記のような目的が考えられます。
・売上向上
例)平均注文単価を上げたい、カート放棄率を下げたい
・顧客体験改善
例)サイト滞在時間を延ばしたい、商品発見の満足度を高めたい
・運用効率化
例)手動での商品提案作業を自動化したい、在庫回転率を改善したい
目的によって最適なレコメンドツールは異なります。
例えば、顧客単価アップが目的なら「この商品を見た人はこれも購入」型の機能が重視されますし、顧客満足度向上が目的なら診断コンテンツを用いたレコメンドが効果的かもしれません。
目的を具体的な数値目標(「カート放棄率を15%減らす」など)で設定すれば、導入後の効果測定もしやすくなります。明確な目標設定をもとに最適なツールを選びましょう。
運用ツールとの相性
レコメンドツール導入で最も見落とされがちなのが、既存システムとの連携問題です。せっかく良いツールを選んでも、現在お使いのECプラットフォームやCMSとの相性が悪ければ、導入に余計な時間とコストがかかってしまいます。
確認すべきポイントは次の通りです。
・お使いのECプラットフォーム(Shopify、自社開発など)に対応しているか
・商品データベースとの連携方法は簡単か
・タグ管理システム(GTMなど)との互換性
・既存の分析ツール(Google Analyticsなど)とのデータ連携は可能か
実際の導入作業では、JavaScriptタグの設置、商品マスターの登録、顧客データの連携などが必要になります。これらの作業量や難易度は、選ぶツールによって大きく異なります。
したがって、導入担当者は、事前にベンダーへ「具体的な導入ステップと必要な技術要件」を確認しておく必要があります。
機能と運用に対するコストの確認
高機能で有名なレコメンドツールを選びたい気持ちは理解できますが、実際に使うのは機能の一部だけ…という事態は避けたいものです。
例えば、月商500万円のECサイトに月額50万円の高機能レコメンドツールを導入しても費用対効果は見込めません。自社の規模や目的に見合った「ちょうど良い」ツールを選ぶことが、レコメンド導入成功のカギです。
ちょうど良いツールを見極める3つのポイントを見てみましょう。
【ポイント1.必要な機能の見極め】
「この機能がなければ目的達成できない」コア機能と「あれば便利だが必須ではない」オプション機能を明確に区別する
【ポイント2.運用工数の現実的見積もり】
導入後の日常管理に必要な人的リソースやスキルセットを確認し、自社の運用体制で持続可能か判断する
【ポイント3.総所有コストの把握】
初期費用だけでなく、月額費用、トラフィック増加時の追加費用、カスタマイズ費用なども含めた実質コストを比較する

レコメンドに診断コンテンツをおすすめする理由
効果的なレコメンドには、ユーザーデータが不可欠です。購入履歴、閲覧行動、属性情報(年齢・性別など)などのデータがあればあるほど、精度の高いおすすめができるためです。
しかし、個人情報保護法の強化やプライバシー意識の高まりにより、ユーザーデータの取得が以前より難しくなっています。Cookie規制や同意取得の厳格化で、特に中小企業では大手ECサイトのような膨大なデータ基盤の構築が困難です。
またユーザーは、個人情報が第三者に利用されたりすることを恐れ、簡単に情報を提供しない傾向が強くなっています。
そのため、入手できる個人情報に限りがあり、レコメンドで大手企業と差別化するのがとても難しいという問題が発生しています。
診断コンテンツなら個人情報の取得が可能
このような個人情報入手が難しい環境下において、効果的に情報入手できる手段が「診断コンテンツ」です。
診断コンテンツの最大の強みは、ユーザーが自ら進んで情報を提供するという点です。 なぜなら、ユーザーは「自分に合った答え」を得るために、自発的に質問に回答するからです。
診断を通じて、価値観、ライフスタイル、具体的な悩みなど、通常のフォームでは取得しづらい質の高い情報を収集できるでしょう。
さらに、こうして集めたデータを活用して自社独自のレコメンドアルゴリズムを構築できれば、競合他社との差別化につながります。
最適化されたアルゴリズムを通じて「このサイトは私を本当に理解している」と感じるユーザーが増えれば、顧客ロイヤルティも向上します。
信頼関係も構築できる
人には、権威を感じるものからの情報を信頼するという傾向があります。
例えば、医師や大学教授、専門家からの意見を聞くと、その内容が詳しく分からなくても信じてしまうという心理効果が働きます。
診断コンテンツによる診断結果は、この専門家からのアドバイスに近い心理効果を生み出します。
そのため、ユーザーは専門家からのアドバイスを受けたような感覚を抱き、商品への期待感を高めるとともに、サイトや企業に信頼を抱く効果があります。
これにより、ユーザーはサイトや企業へのロイヤルティを高めるため、ユーザーと企業の間に強い信頼関係が生まれます。
カスタマーエクスペリエンスの向上
使いやすく、役立つレコメンドは、ユーザーがサイトやアプリを再訪する動機にもなります。パーソナライズされたレコメンドにより、ユーザーは自分の好みやニーズに合った商品を簡単に見つけられるためです。
これにより、ユーザーエクスペリエンス(顧客体験)が向上し、サイトやアプリの利用満足度も高まります。
サイトの滞在時間の延長
ユーザーに関連性の高い商品やコンテンツを提供することで、サイト内の回遊性を高め、滞在時間を延ばす効果もあります。
回遊率を高め、滞在率を延ばすことで、ユーザーはより多くの商品やコンテンツに触れる機会が増えるため、購入や登録などの行動につながる可能性も高まります。

診断コンテンツはパートナー選びがポイント!
レコメンドにとても有効な診断コンテンツですが、その導入にはいくつかの問題点があります。
ここでは診断コンテンツが抱える問題点と、診断コンテンツ導入の重要なポイントを解説します。
診断コンテンツの問題点
診断コンテンツの作成する際、その納得感を高めるためには、「ジャンルの専門知識」と「診断開発知識」という2つの専門性をうまく組み合わせることが大切です。
しかし、ジャンルの専門知識に対して、診断開発ノウハウを社内スタッフでまかなうことはとても難しいでしょう。
内部の専門知識に加えて、診断の開発ノウハウをどこから得られるかが、高品質な診断コンテンツを企画・開発できるチーム作りにおける大きな問題点と言えます。
診断コンテンツのパートナーなら「ピクルス」
診断コンテンツのパートナー探しにお悩みの方に、ぜひおすすめしたいのが「ピクルス」です。
「ピクルス」は、診断コンテンツを手軽に開発できる診断クラウドサービス「ヨミトル」を提供している、診断コンテンツのプロフェッショナル企業です。
「ピクルス」の提供する診断クラウドサービス「ヨミトル」を利用すれば、これまで導入コストが高かった診断コンテンツを低価格で開発できます。

年間利用で50~80%のコストを削減可能
また、「ピクルス」ではオリジナル診断コンテンツの制作サービスを行っており、診断コンテンツの制作を一から依頼することも可能です。
もし診断コンテンツの導入を検討されるのであれば、まずは「ピクルス」に相談することをおすすめします。
診断コンテンツの疑問点について、プロフェッショナルがさまざまな相談に対応してくれるでしょう。

レコメンド導入でよくある質問
レコメンド導入でよくある下記の質問に回答します。
レコメンド導入で最も多い失敗とその対策
規模サイトでも効果的なレコメンド手法
データ不足時のレコメンド戦略
レコメンド導入で最も多い失敗とその対策を知りたい
レコメンド導入で最も多い失敗と対策について、以下で回答します。
よくある失敗の例 | 対策 |
①目的が不明確なまま導入して十分な費用対効果を得られない | 導入前に「購入単価を10%向上させる」「カート放棄率を15%減らす」など、具体的な数値目標を設定しましょう。目的に応じたレコメンドロジックの選定や、効果測定の基準が明確になります。 |
②ユーザー体験を考えないレコメンド表示で購入率が上がらない | ユーザー目線でのテストを徹底。「この状況でこの商品が表示されるのは違和感がないか」を常に確認する。
また、購入済み商品の除外設定や、シーズン商品の適切な切り替えなど、細かい運用ルールを事前に決めておくのも重要です |
③導入後の検証・改善が不十分で次第に低下 | 定期的なABテストでレコメンド表示の効果を検証し、表示位置やデザイン、レコメンドロジックの調整を行う。
月次での効果検証と改善サイクルを回すことで、長期的な効果向上が期待できる。 |
小規模サイトでも効果的なレコメンド手法ってなに?
結論、小規模サイトでも工夫次第で効果的なレコメンドは十分に実現可能です。
例えば、データ量やリソースが限られている場合、複雑なアルゴリズムよりもシンプルなルールベースのレコメンドが効果的です。具体的には「同カテゴリの人気商品表示」「この商品を見た人はこれも見ています」など、基本的なルールを用いたレコメンドでも十分な効果が期待できます。
また、診断クラウド「ヨミトル」のようなセルフ型ツールを利用すれば、コストを抑えつつも十分な効果に期待できます。
診断クラウド「ヨミトル」を使うまでの診断コンテンツを制作するときの費用は、300万円ほどかかっていたのですが、この診断クラウド「ヨミトル」は、初期費用20万円・年間利用の場合は、月額費用8万円でコンテンツを作成でき、コストが削減できました。
引用元:kyozon
データ不足時のレコメンド戦略があれば知りたい
新規サイトやアクセス数の少ないサイトでは、レコメンドに必要なデータ量が不足しがちです。しかし、データが少なくても効果的なレコメンド戦略はいくつか存在します。
たとえば、診断コンテンツを用いてユーザーに簡単な質問に答えてもらい、その回答にもとづいて商品をレコメンドすれば、履歴データがなくても効果的に購入を促せます。
例えば、化粧品サイトなら「肌質診断」、アパレルサイトなら「スタイル診断」などを実装し、ユーザー自身が明示的に好みや要望を入力する仕組みを作るとよいです。

まとめ
ここまで、レコメンドについてのメリットと成功事例について解説しました。
レコメンドはユーザーの満足度やコンバージョン率を向上させるとともに、信頼関係の構築にとても効果的な手段です。
ユーザーと強い信頼関係を構築できれば、ビジネスの長期的な安定につながります。
特に、診断コンテンツを活用すれば、その心理効果もあいまって効果的な信頼関係構築につなげられるでしょう。
レコメンドはこれからのビジネスにおいて、欠かすことのできない大切なシステムになる可能性を秘めています。
いかに自社のビジネスに、レコメンドを取り入れるか?
それが、これからの重要なビジネス課題になっていくでしょう。
また、レコメンド機能強化の一環として「診断コンテンツ」の導入を検討される際は、ぜひ『商品レコメンドに効果的な「診断コンテンツ」業界別の活用事例を紹介』も参考にしてみてください。
想定される活用シーン

ライター:中嶋 祥汰(なかじま しょうた)
コンテンツマーケター
2020年から、BtoBや小規模ビジネスのオウンドメディア運用代行、DX化支援などのマーケティング戦略から施策実行までを手掛ける。特にリラクゼーション業界のマーケティングに精通し、集客率1800%アップの実績も。