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プロが解説!リード獲得単価の平均相場【単価を抑えて獲得数を伸ばすコツ】
リード獲得単価は、集客方法によって平均的な相場が異なります。費用対効果を検討した上で集客方法を選択しなければ、リード獲得数は伸びたとしても獲得単価が上がってしまう恐れがあります。 本記事では、リード獲得単価の平均相場をお伝えするだけでなく、単価を抑えて獲得数を伸ばすために必要なコツ、KPI設定の手順まで解説します。筆者の実務経験に基づいた実践的な内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
更新日:2024/10/25 公開日:2023/02/01
監修:田中博基(たなかひろき)
コンテンツマーケター
株式会社ピクルスのコンテンツマーケター。SEOライティング歴7年。月間250万PVのメディア運用に携わる。ピクルスではオウンドメディア、Twitter、診断コンテンツ、メルマガ、Youtube等のチャネル運営を統括し、リード獲得数を20倍以上に成長させた実績あり。
目次
リード獲得単価とは
リード獲得単価(CPL)とは、リード獲得1件あたりのコストを指します。英語に訳すとCost Per Leadとなり、略してCPLと呼ばれています。
リード獲得単価は、マーケティング施策の費用対効果を測る際にKPI(重要業績評価指数)として用いられます。計算方法やKPIの設定手順に関しては後述します。
そもそもKPIとは何か、なぜ設定する必要があるのかについては、下記の記事が参考になりますよ。
いまさら聞けないKGIとKPI|マーケティングにも使える設定手順を解説!
なお、CPLと似た単語でCPA(Cost Per Acquisition または Cos Per Action)があります。CPAを日本語に訳すと「顧客獲得単価」と なり、1件の成果(売上などのコンバージョン)を獲得するために掛かったコストを表します。
CPLもCPAも、マーケティング施策の費用対効果を測る際に用いられる評価指標です。しかし、CPLは、売上などの成果の前段階である「リード獲得」に着目した指標であるのに対して、CPAは「成果そのもの」に着目した指標である点が異なります。
リード獲得とは
リードとは、自社の製品やサービスを購入する可能性のある見込み客を示します。そのため、リード獲得とは新規の見込み客を獲得することを指し、リードジェネレーションとも呼ばれています。
リード獲得の施策例
リード獲得は、オンライン、オフラインを問わず様々な施策が用いられます。主なリード獲得の施策をまとめたものが、次の表です。
上記の表で紹介した施策以外にも、効果的なリード獲得の手法が存在します。詳しくは、以下の記事で解説しています。
BtoBのリード獲得に効果的な手法・役立つコンテンツ13選!独自の事例を交えてわかりやすく解説
リード獲得単価の計算方法
リード獲得単価は、リード獲得に掛けたコストを、リード獲得数で割って計算します。
例えば、Web広告で100万円の費用をかけ、100件のリードを獲得できた場合、リード獲得単価は「100万円÷100件=1万円」となります。
リード獲得のためにマーケティング施策を実施している場合は、必ずリード獲得単価を確認しましょう。報告事項として、必ず求められる内容です。
リード獲得単価の料金相場
リード獲得施策には様々な種類があり、獲得単価は施策やターゲット顧客により異なります。
一般的なBtoB領域においては、展示会に出展した場合の1万円程度がリード獲得単価の基準となります。1万円よりも安く獲得できる施策であれば、費用対効果は高いと考えて問題ないでしょう。
ただし、リード獲得単価が1万円より高いからと言って、その施策の費用対効果が悪いとは言い切れません。受注率や受注数、受注単価といった他の指標も確認し、施策を実施するか検討する必要があります。
参考までに、下記が施策別の平均相場です。
リード獲得単価の抑え方
リード獲得単価を抑えるためには、リードを確実に獲得できる仕組みを最初に構築することが重要です。資料ダウンロード、Webセミナー、会場セミナーといった施策を最初に実施し、その後にSEO、Web広告といったアクセスを増やすための施策を行うと良いでしょう。
ただし、これらの施策は競合他社も行っている可能性が高いため、差別化が難しいというデメリットがあります。このような場合は、他社が実施していないリード獲得施策も実施すると効果的です。
確実にリード獲得につながる施策に注力する
リード獲得単価を抑えるためには、資料ダウンロード、Webセミナー、会場セミナーなど、確実に個人情報を入手できる施策にまずは注力し、リードを確実に獲得できる仕組みを構築することが重要です。
SEO、Web広告、SNSといった手段は、リード獲得の手法が確立した後に、アクセス数を増やし獲得数を増加させるための手法として用いると効果的です。リードを確実に獲得できる仕組みを構築する前にアクセス数を増やす施策を実施しても、コンバージョン率が低いままアクセス数を増やすことになるため、リード獲得単価は高くなってしまいます。
まずは確実にリード獲得につながる施策に注力し、コンバージョン率を高めた後に他の施策を検討することをおすすめします。
他社が実施していないリード獲得施策を実施する
資料ダウンロード、Webセミナー、会場セミナーといった、確実に個人情報を入手できるリード獲得の施策は有効です。しかし、このような施策は競合他社も実施しているため、差別化が難しいというデメリットがあります。
そのため、競合他社と差別化を図るために、他社が実施していないリード獲得施策も検討すると良いでしょう。他社との差別化を測るために有効なリード獲得施策が、ピクルスで提供している診断コンテンツ作成ツール「ヨミトル」です。
ヨミトルでは、リード獲得を目的とした様々な診断コンテンツを作成できます。
このような診断コンテンツには、ユーザーが無意識に感じている課題を顕在化し、情報を整理し、行動に移しやすくなるという特徴があります。
診断コンテンツを利用したユーザーが行動に移しやすくなるため、コンバージョン率が高くなり、結果としてリード獲得単価を下げられるというメリットがあります。
ここで実際にCPAを大きく改善した「O-net スーペリア」の事例を紹介します。「O-net スーペリア」は、株式会社オーネットが提供する、45歳以上の男女を対象にした中高年・シニア向けの「人生のパートナー探し」サービスです。ヨミトルで作成した恋愛偏差値診断をランディングページで活用しました。
その結果、公開から1か月でCPA・契約率を想定以上に改善することに成功。「設問を繰り返すことでユーザーのモチベーションを上げ、最終的なコンバージョン率(契約率)を上げる」という診断コンテンツのメリットが発揮された事例です。詳しくは、以下のリンク先で紹介しています。
CPA、契約率が大きく改善!ユーザーの行動を後押しする診断コンテンツ活用法
ヨミトルでは、様々な診断コンテンツの作成が可能です。以下のリンク先で事例を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
https://shindancloud.com/createlist_purpose/acquisition/
リード獲得単価を抑えて獲得数を伸ばすコツ
リード獲得単価を抑えるためには、継続的に費用対効果を分析し改善することが求められます。さらに、リードナーチャリングを実施することで、新規リードの獲得に掛けていた費用を抑えながらKGI(重要目的達成指標)を達成することも可能です。
費用対効果を分析、改善する
リード獲得単価を抑えるためには、継続的な費用対効果の分析と改善が必要です。後述の「リード獲得単価のKPIを設定する手順」で設定する試算通りに、受注まで至っているのか確認をします。
例えば、Webセミナーで獲得したリードは試算通りに受注まで至っていても、Web広告で獲得したリードは広告単価が高騰しリード獲得単価のKPIを超えているかもしれません。また、リード獲得単価は同じであっても、特定の施策から獲得したリードの受注率が低く、許容できる経費率を超えている可能性もあります。
リード獲得単価を抑えるためには、定期的にデータを確認し費用対効果の分析を必ず行い、獲得単価が許容できる金額に収まるように改善することが重要です。
リードナーチャリングを実施する
リードナーチャリングとは、獲得したリードに対して情報提供を行い興味関心や購買意欲を高め、関心度合いの高い顧客へと育成する施策を指します。メールマーケティング、ダイレクトメール、インサイドセールスによるコミュニケーションといった手法が、リードナーチャリングでは行われています。
リードナーチャリングの最も大きなメリットは、すでに保有しているリードから資料請求や問い合わせ、購入に繋げられるという点です。リードナーチャリングが適切に機能していれば、新規リードの獲得に掛けていた費用を抑えながらKGIを達成することも可能です。
リードナーチャリングを行い受注率を改善できれば、追加で獲得しなければならない新規リード数を抑えることができます。その結果、無理をして獲得単価の高い施策を実施する必要がなくなるため、リード獲得単価を抑えることに繋がります。
リードナーチャリングについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
リード獲得単価のKPIを設定する手順
リード獲得単価のKPIを設定する際は、以下の手順で行います。
KGIを設定する
KGIは「重要目的達成指標」と呼ばれているように、特定の事業における最終的な数値目標を示します。「3月末までに売上10億円を達成する」のように設定されることが一般的です。
KPIを設定する際は、KGIの達成に必要な要素を顧客数、客単価に分解し、測定可能な数値に落とし込みます。そのため、KGIが設定されていない場合は、KPIを設定する前にKGIを設定する必要があります。
今回は例としてKGIを「単価50万円のA商品を100個、合計5000万円の売上」と設定し、リード獲得単価のKPIの設定手順を説明します。
リード獲得後の受注率を計算する
リード獲得のKPIを設定するためには、KGI以外にも様々なデータを収集する必要があります。重要なデータの一つとして、リード獲得後の受注率があります。SFAの案件データやECサイトの購買履歴などからデータを抽出し、受注率を計算しましょう。
前述の「単価50万円のA商品を100個、合計5000万円の売上」の例であれば、商品Aの受注率を計算します。Web広告、セミナー、展示会といった、リード獲得の施策ごとに受注率を出せるのであれば、より詳細な分析が可能になります。
平均受注単価(売上、粗利)を確認する
受注率と共に、リード1件あたりの売上金額と粗利金額の平均を確認します。リード獲得施策ごとの単価も可能であればデータを出すことをおすすめします。
なお、サブスクリプションモデルの場合は、どの時点での売上、粗利を用いて計算するのかにより受注単価が異なる点には注意が必要です。継続期間、損益分岐点、1年間など任意の期間で算出することが可能です。企業の方針や環境により適した期間は異なるため、社内で検討すると良いでしょう。
許容できる経費率を設定する
平均受注単価を確認した後は、平均の粗利金額の何%までならリード獲得のために費用を掛けられるのか検討します。
例えば、先程の「単価50万円のA商品を100個、合計5000万円の売上」での平均受注単価が、売上50万円、粗利10万円だったと仮定します。この場合、粗利10万円の何%までならリード獲得のために掛けられるのか検討します。受注率を参考にしながら、許容できる経費率を設定すると良いでしょう。
また、クロスセル、アップセルやリピート注文も考慮に入れて、許容できる経費率を高めに設定することも可能です。そのため、ケースに応じて適切な経費率を設定できるようにデータを確認することも必要となります。
リード獲得単価のKPIを設定する
ここまでのステップで確認した、KGI、受注率、平均受注単価、経費率の数値を用いて、リード獲得単価のKPIを設定します。
例として挙げていた「単価50万円のA商品を100個、合計5000万円の売上」のケースにおいて、リード獲得単価のKPIを設定する流れを以下の表にまとめました。
今回の例では、リード獲得単価のKPIを1万円と設定しました。リード獲得単価を設定した後は、1万円前後で獲得できるリード獲得施策を検討することになります。その際は、KGIを達成するために必要なリード獲得数も考慮に入れたうえで、施策を検討しましょう。
なお、リード獲得単価のKPIを大きく超えるマーケティング施策を検討する場合は、クロスセル、アップセル、リピート注文なども考慮に入れて費用対効果を検討した後に、実施するか決定することをおすすめします。
まとめ
リード獲得単価は、集客方法によって平均的な相場が異なります。費用対効果を検討した上で集客方法を決定しなければ、リード獲得数は伸びたとしても獲得単価が上がってしまう恐れがあります。
本記事で説明した手順でリード獲得単価のKPIを設定し、リード獲得単価の抑え方、単価を抑えて獲得数を伸ばすコツを参考に、リード獲得単価を抑えながら獲得数を伸ばす取り組みを始めてはいかがでしょうか。
リード獲得単価を抑える施策としては、診断コンテンツもおすすめです。
診断を活用したリード獲得については、こちらで解説しています。
想定される活用シーン
ライター:土光 宜行(どこう よしゆき)
BtoBマーケター
ヘルスケア業界にてBtoBマーケティングに10年以上従事。この他に、製品開発、営業、パイプライン管理の経験あり。マーケティングの川上から川下まで俯瞰して施策を立案し、実行できる点が強み。