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【2023年最新】AIレコメンドの活用事例、基礎知識、新しいアイデアを紹介!
AIレコメンドとはユーザーの個人情報や行動データをもとに分析し、ユーザーに合った商材をおすすめできるAIアルゴリズムのことです。本記事ではAIレコメンドの仕組みやメリット、活用事例について詳しく紹介します。AIレコメンドの活用を検討しているEC事業者の方は、ぜひお読みください。
更新日:2024/10/25 公開日:2023/02/07
監修:田中博基(たなかひろき)
コンテンツマーケター
株式会社ピクルスのコンテンツマーケター。SEOライティング歴7年。月間250万PVのメディア運用に携わる。現在はコンテンツマーケ全般のチャネル運営を統括。レコメンドに有効な診断コンテンツを10年以上制作してきた、ピクルスの知見を発信中。
AIレコメンドは、ECサイトで利用されている商品のレコメンド機能のことです。機械学習によってユーザーが欲しい商品を予測してレコメンドし、購入を促進できます。クロスセルやアップセルにも有効なため売上の向上が見込めます。しかし、デメリットもあるため扱いに注意が必要です。
本記事では、AIレコメンドの活用事例や基礎知識について紹介します。AIレコメンドの代替ツールとして利用できる診断コンテンツも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
AIレコメンドとは?
AIレコメンドとは、AIが分析・予測してユーザーの望んでいるものを推薦するアルゴリズムのことです。主にECサイトで利用されており、購入履歴や個人情報、サイト内での行動などをもとにユーザーが欲しいと思われる商品を提示します。
ECサイトを開いた時に以下のような画面が表示されたことはないでしょうか?
・○○を購入した人はこんな商品も買っています
・お客様が閲覧した商品に関連する商品
・よく一緒に購入されている商品
上記のようなメッセージの下に表示された商品はAIレコメンドで表示されたものです。
AIレコメンドによってユーザーが望む商品を提示して購入を促進できるため、リピーターの増加が期待できます。
AIレコメンドの種類と仕組み
AIレコメンドには以下の4つの種類があります。
それぞれの概要と仕組みについて詳しく紹介しますので、ぜひご覧ください。
協調フィルタリング
協調フィルタリングはユーザーが閲覧・購入した商品のデータから、今後購入してくれそうな商品をAIがレコメンドする機能です。
協調フィルタリングには大きく以下の2つに分類されます。
協調フィルタリングはデータを蓄積することによって、精度の高いレコメンドができます。しかし、膨大なデータが必要なため、収集・分析に時間がかかるのがデメリットです。
ルールベース・レコメンド
ルールベース・レコメンドはあらかじめ特定の行動をしたユーザーに対し、何の商品を紹介するかを設定してレコメンドするアルゴリズムです。
たとえば「ランニングシューズを購入した人に対して、ランニングシャツを勧める」というルールを決めます。
ルールベース・レコメンドは事前にルールを決めればすぐに利用できるため、運用に時間がかからないのがメリットです。
しかし、ルール通りにしか商品をレコメンドできないため、ほかの商品を勧めた方が売上が増える場合はルールを手動で修正しなければなりません。
コンテンツベース・フィルタリング
コンテンツベース・フィルタリングでは「商品の種類」と「サイトを閲覧したユーザーの好み」を関連付けしたデータよりレコメンドします。
例として「パソコンの購入画面を閲覧した人は、パソコン周辺機器にも興味がある」というデータを準備したとしましょう。こうすることで、パソコンの商品ページを見たユーザーにキーボードやマウスをレコメンドできます。
協調フィルタリングのようにデータを蓄積する期間がなくはじめられるため、すぐに運用できるのがメリットです。
しかし、商品の種類とユーザーの好みを関連付けしたデータを作成するのに膨大な工数がかかります。
また、関連付けの仕方によっては、同じような商品をレコメンドしてしまうこともデメリットです。たとえば、キーボードを買った人にキーボードをおすすめしてしまう可能性があります。
ハイブリット・レコメンデーション・システム
ハイブリット・レコメンデーション・システムは協調フィルタリングとコンテンツベース・フィルタリングを掛け合わせたシステムです。
2つのレコメンド機能の問題点を解消することで精度が高くなり、購買意欲の高い商品を提案できます。
AIレコメンドを活用する2つのメリット
AIレコメンドを活用するメリットとして以下の2つがあります。
・クロスセル・アップセルを狙いやすい
・リピーター獲得につながりやすい
メリットを知ることでAIレコメンドの導入が自社に必要かを判断できますので、ぜひ参考にしてみてください。
クロスセル・アップセルを狙いやすい
AIによってクロスセル・アップセルという販売方法の成功率を高められます。
クロスセルは特定の商品を閲覧している人に関連商品をレコメンドし、閲覧していた商品と同時に購入してもらう手法です。たとえば、スマホ用充電器を閲覧したユーザーにタイプCの充電ケーブルを勧めて、セット購入を狙います。
一方アップセルは、購入を考えている商品の上位互換の商品をレコメンドして購入を促す販売手法です。スマホ用充電器を閲覧したユーザーに対し、単価がワンランク上の充電器を紹介するようなイメージです。
AIがデータを分析し最適な商品を紹介することで強引に売りつけられている感覚がしないため、購入してもらえる可能性が高くなります。
リピーター獲得につながりやすい
AIレコメンドはデータが蓄積される度にユーザーの欲しい商品を的確に紹介できるようになるため、ユーザーがリピーター化しやすい傾向にあります。
商品を自ら探す工程を減らせることからECサイトの利便性にユーザーが満足し、再度利用したくなる気持ちを高められます。
リピーターが増えることで安定して商品が購入されるようになることから、AIレコメンドは売上の向上に効果的です。
AIレコメンドの導入前に知っておきたい注意点
AIレコメンドの弱点として、データ数が少ないとユーザーに適した商品をレコメンドできないという点があります。
協調フィルタリングの場合はデータが蓄積するまでの間は精度が低く、コンテンツベース・フィルタリングの場合は関連付けしたデータの数が少ないと適切な商品をレコメンドできません。
また、ECサイトで扱っている商品の数が少ないとデータを多く取れないため、導入しても費用対効果が低い可能性があります。もし扱っている商品数が少ない場合はAIレコメンドシステムの導入をおすすめできません。
ECサイトの事業規模が拡大し、商品数が増加したタイミングでAIレコメンドを取り入れるようにしましょう。
AIレコメンドの活用事例5選
AIレコメンドを実際に活用している企業を紹介します。
・NETFLIX
・エノテカ株式会社
・株式会社まんだらけ
・株式会社ZOZOテクノロジーズ
・ハウスコム株式会社
導入後の効果についても知ることができますので、ぜひお読みください。
NETFLIX
大手動画配信サービスのNETFLIXではAIレコメンドシステムを利用して、ユーザーにおすすめの動画を紹介しています。
NETFLIXでは「文脈バンディット」というアルゴリズムによって、ユーザーの視聴履歴に合わせておすすめした動画のサムネイルを最適化しました。
結果、75%程度のコンテンツがAIレコメンドシステムによって選ばれていることがわかり、ユーザーの滞在時間を増加できました。
エノテカ株式会社
エノテカ株式会社は約2,000種類のワインを扱う通販サイト「エノテカ・オンライン」を運営している企業です。
エノテカ株式会社ではエノテカ・オンラインに2つのレコメンド機能を導入して売上拡大を狙いました。
1つ目は顧客と商品の情報を結びつけてデータに落とし込んだ「味わいベースレコメンド」という機能です。渋みやコクなどの味覚情報を数値化し、顧客の味覚に合ったワインをレコメンドできるようにしました。
2つ目は「特殊ページのレコメンド」という機能です。メールやLINEで自社サイトの特集ページをレコメンドして情報発信を強化しました。
その結果、前年度比でコンバージョン数が約1.5倍になりました。
株式会社まんだらけ
中古の漫画やアニメグッズ、玩具など約1,000万点以上を扱う株式会社まんだらけでも、ECサイトでAIレコメンドを導入しています。
パッケージ型のAIレコメンドシステムを自社に合うようにカスタマイズしてもらい、ユーザーに合わせて最適な商品を紹介できるようにしました。
AIレコメンドがスタッフでも予測できないニーズのある商品をレコメンドした結果、月額で2,000万円の売上を獲得できました。
株式会社ZOZOテクノロジーズ
アパレル専門のECサイト「ZOZOTOWN」を運営している株式会社ZOZOテクノロジーズでは、GoogleのAIレコメンドシステムを導入しています。
商品情報や顧客の閲覧サイト、お気に入り追加、カート追加などのデータをもとに、最適な商品をレコメンドするためのモデルを作成しました。
そのモデルをもとにおすすめの商品を紹介することで、購入を促進しています。
ハウスコム株式会社
不動産賃貸の仲介業者であるハウスコム株式会社では、株式会社レッジと共同で「ハウスコム ライフスタイルサーチ」というAIレコメンドサービスをリリースしました。
質問に答えることでサービス利用者の住みやすそうな街や、好きそうな街を提案します。精度を高めるために利用者の性別や街選びのこだわりなどを入力することで、より好みに合う街を紹介できるように開発しています。
【最新トピック】AIレコメンドの代用になる「診断コンテンツ」とは?
上記で紹介したようにさまざまな企業がAIレコメンドを活用していますが、最近では「診断コンテンツ」というツールもレコメンドに最適なコンテンツとして注目されています。
診断コンテンツとは、WEBサイト上でユーザーに複数質問することで、診断結果を表示するコンテンツです。ECサイトに応用することで、ユーザーの質問の回答から最適な商品をレコメンドできます。
話題性や汎用性の高さから多くの人にリーチでき、購入を促進できます。
診断コンテンツを活用する6つのメリット
診断コンテンツを活用するメリットとして以下の6つがあります。
AIレコメンドとの違いも比較できますので、ぜひご覧ください。
拡散されやすいため集客しやすい
診断結果を拡散したくなるため、多くの人がSNSを介して紹介してくれます。あなたもSNSで「○○診断の結果は△△でした」のような投稿を見たことがあるのではないでしょうか?
診断コンテンツを活用することで、投稿を見た人が「自分も試してみたい」という気持ちになり、自社のWEBサイトにアクセスします。
結果、その人もSNSで投稿する可能性があり、さらに多くの人にリーチすることができます。このように診断コンテンツは拡散性が高く、低コストで集客したい方におすすめのコンテンツです。
おすすめされた商品に興味をもちやすくなる
診断コンテンツでレコメンドされた商品は印象に残りやすく、自社商品への興味を喚起する方法として有効です。
商品に興味を持ったユーザーは詳細を知りたい気持ちが高まり、サービスページに遷移するため自社サイトのアクセス数向上が見込めます。
さらに、サービスページで商品の魅力を訴求することで購買意欲を高められるため、コンバージョンを獲得できる可能性が高くなります。
商品を選ぶストレスを軽減して購入を促進できる
診断コンテンツは最適な商品をひとつに絞って紹介できるため、商品を選択するストレスを軽減できることがメリットです。
AIレコメンドの場合「あなたにおすすめ」のような箇所では商品が多数レコメンドされますが、複数あるとユーザーはどれを選べばいいか困ることがあります。その結果、商品の詳細ページにアクセスせず、購入に至らないケースも少なくありません。
しかし、診断コンテンツはレコメンドできる商品数を自由に設定することが可能です。診断結果よりユーザーに最適な商品だけをレコメンドすることで、購入を促進できます。
導入のハードルが低い
診断コンテンツは短期利用も可能であるため、導入のハードルが低い傾向にあります。診断作成ツール「ヨミトル」の場合3ヶ月契約からのプランがあり、期間限定でキャンペーンをしたい方にもおすすめです。
本格的なAIレコメンドエンジンと比べ、手軽にレコメンド機能を活用したマーケティングを行えます。
独自の個人情報を入手できる
診断コンテンツはユーザーに個人情報を自ら入力してもらうことによって、通常では入手できないデータの収集が可能です。
たとえば「パソコンとスマホどちらの利用時間が長い?」のようにアンケート調査としても活用できるため、マーケティング戦略の参考にできます。
一方AIレコメンドでは閲覧・購入履歴の情報しか入手できないため、売上の細かい分析が難しい場合があります。
マルチな場面で活躍できる
診断コンテンツは汎用性が高く、ECサイトでのレコメンド以外にも以下のようなシーンで利用できます。
・展示会でのリード獲得
・メールやLINEでの商品・サービスのレコメンド
・実店舗でのカウンセリング
・SNS広告での集客
・採用活動での適性診断
幅広いシーンで活用することでユーザーに最適な情報を提供できるため、顧客満足度が向上します。
メールでレコメンドを行う「レコメンドメール」については、診断と組み合わせることで効果を最大化することが可能です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
売上が上がる「レコメンドメール」とは?|顧客に最適化するレコメンド方法を紹介
診断コンテンツの活用事例
事例①株式会社アルビオン「肌りウム」
ユーザーの肌の状態や特徴を診断し、イメージに合った 27種類のハーバリウム(インテリアフラワー)を表示するコンテンツです。
株式会社アルビオン様は新商品の販売プロモーションとして診断コンテンツを作成し、 診断結果から自然な形で新商品をレコメンドすることで認知拡大につなげました。
同時にサンプル配布を活用して店頭誘致を狙ったところ、診断に参加したユーザーの1割以上が来店し、多くの人に商品を知ってもらうことに成功しました。
事例②よーじやグループ「あなたにおすすめ!素肌の呼吸のととのえかた。」
「素肌の呼吸のととのえかた。」は、コスメ・スキンケア商品を販売するよーじやグループの診断コンテンツです。
複数の商品ラインナップがあるブランドサイト上で、肌悩みに合った商品を提案する診断を活用しています。
商品を選択するユーザーの迷いを解消することで離脱を防ぎ、診断設置後のEC流入数3倍、カート遷移率の向上といった成果を得ました。
またこちらの診断は、店舗接客においても活用されています。タブレットで顧客に診断をやってもらい、診断結果に提案される商品を購入してもらうといった形で、オンライン・オフライン双方の売上に貢献する費用対効果の高い施策となっています。
下記の記事では、他にもレコメンド×診断の活用事例を業界別にまとめています。
気になる方はぜひご覧ください。
まとめ
AIレコメンドはECサイトでクロスセル・アップセルやリピーター獲得に活用できるツールです。データの蓄積に工数がかかりますが、ユーザーに最適な商品をレコメンドしたいと考えている方は利用してみましょう。
また、リーチを拡大して売上を獲得したいと考えている方がいましたら、診断コンテンツを活用してみてはいかがでしょうか?
診断作成ツール「ヨミトル」では自社サイトに診断コンテンツを埋め込んで、診断結果によりユーザーに対して最適な商品をレコメンドできます。
カスタマイズ性が高いため、活用目的に合わせてオリジナリティのある診断コンテンツを作成できます。
レコメンド機能を搭載したい方で診断クラウド「ヨミトル」に興味がありましたら、下記のページも併せてお読みください。
また、診断コンテンツは会員登録やリード獲得の増加にも活用できますので、ECサイトの会員登録の伸び率に悩んでいましたらこちらもぜひご覧ください。
想定される活用シーン
ライター:野田 昂暉(のだ こうき)
Webライター/コンテンツディレクター
2021年よりBtoB向けのオウンドメディア執筆代行を中心に活動中。多くのメディアで検索上位記事の制作実績を持つ。AIソリューションの開発に携わった経験もあり、SaaSとマーケティングを掛け合わせた情報を提供できる。