メルマガの開封率を上げるためには、診断コンテンツを活用する、開封率にKPIを設定する、配信時間を最適化するといった、様々な方法があります。今回の記事では、メール開封を取得する仕組みや計算方法について解説するだけでなく、平均データや業種別のデータを紹介し、開封率を上げるためのコツについても解説します。※当コンテンツは、メールマーケティングの効果を高める診断作成ツール「ヨミトル」を提供するピクルスが監修しています。▼関連記事ナーチャリング効果を高める診断コンテンツのメリット&事例を解説メルマガの開封率とは 開封率とは、配信したメルマガが「どの程度の割合のユーザーに開封されているのか」を示す指標です。HTMLメールを配信した際に、メール内の見えないWEBビーコンという画像がメール開封時に読み込まれることで開封が計測されます。メルマガの開封率は「開封数÷有効配信数×100」の計算式で求められます。メルマガの開封率は、メルマガの効果測定を行う上で最初の重要なKPIとなります。メールが開封されなければ、メールの中身を見てもらえないだけでなく、メール内のリンクから資料請求や問い合わせにつなげることもできません。そのため、メルマガの開封率を高めることは、メルマガ運用改善の第一歩となる重要なステップと言えます。以下に、業種別のメルマガの開封率の一覧表を示します。自社の所属している業界のデータと比較し、まずは現状を把握しましょう。 引用 2023 Email Marketing Benchmarks by GetResponseメールの開封率を取得する仕組み 開封率は、HTMLメールを配信した場合に取得できます。HTMLメールを配信すると、メール内に計測用のWEBビーコンと呼ばれる画像が挿入されます。WEBビーコンは小さく透明な画像のため、メール本文では見えません。HTMLメールをユーザーが開いた際に、この画像データが読み込まれ、開封されたことをメール配信システムで判別できる仕組みになっています。メール開封を測定するためには、WEBビーコン画像の読み込みが必要となるため、テキストメールでは開封率を測定できません。また、HTMLメールであっても、受信者側が画像を読み込まない設定にしている場合は、メールを開いたとしても開封したと判別できないため注意が必要です。さらに、Apple社の端末(iPhone、iPad、Mac、Apple Watch)には、メールプライバシー保護と呼ばれる機能が2021年以降搭載されており、メールを開封したかどうかに関わらずメールを開封したと測定されるようになりました。そのため、Apple社の端末に関しては「開封率が100%で測定される」ということを覚えておくと良いでしょう。参考 Apple メールプライバシー保護とプライバシーメルマガ開封率の計算方法 メルマガの開封率は、「開封数÷有効配信数×100」で計算します。有効配信数とは、メール配信数全体から、メールアドレスの不備やエラーで届かなかった件数を差し引いた、実際にメールが届いた数のことです。以下に、開封率の計算例を示します。 なお、開封率を計算する際は、前項で説明した以下の点を忘れないように注意してください。 HTMLメールを配信したとしても、画像を読み込まない設定にしていると、開封しても開封を測定できない Apple社の端末では開封率が100%で計測されるメルマガのクリック率とは メルマガのクリック率とは、メルマガの配信数もしくは開封数に対して、メルマガ内のリンクがクリックされた割合を示す指標です。 クリック率には、メルマガの配信数に対するクリック率と、開封数に対するクリック率の2種類があります。 以下に業種別の配信クリック率と開封クリック率のデータを示します。自社の所属する業界のデータを比較し、目安を把握しましょう。 なお、配信クリック率は「クリックスルー率(CTR)」とも呼ばれています。 引用 2023 Email Marketing Benchmarks by GetResponse開封率とクリック率の違い ここまでに説明した、開封率とクリック率の違いをまとめたものが次の表です。 ※引用 2023 Email Marketing Benchmarks by GetResponseメルマガの開封率の平均 全業種のメルマガの開封率の平均は、33.1%(※)です。ただし、開封率は、業種や業界によって異なります。例えば、インターネットマーケティング業界の開封率は21.9%に過ぎませんが、コミュニケーション業界においては48.8%という高い開封率となっています。また、業種や業界以外でも、顧客との信頼関係、ブランド認知、メールの件名といった要素も開封率に影響します。自社のメルマガの開封率が全業種の平均である33.1%よりも低い場合は、これらの要素を改善し開封率の向上に努めることをおすすめします。※引用 2023 Email Marketing Benchmarks by GetResponseメルマガの開封率を上げる方法 メルマガの開封率を上げるためには、診断コンテンツを活用する、開封率にKPIを設定する、配信時間を最適化するといった、さまざまな方法があります。これらのメルマガの開封率を上げる方法について解説します。診断コンテンツの活用 診断コンテンツとは、ユーザーがWeb上で複数の質問に答えると、その回答内容に応じた結果が表示されるコンテンツです。ゲーム感覚で回答しやすいだけでなく、ユーザーの行動変容を促しやすく、顧客獲得の効率化ができるというマーケティング上のメリットがあります。例えば、ピクルスが提供しているマーケティング課題診断という診断コンテンツでは、集客から成約、再契約までに必要なリード獲得、商談、カスタマーサクセスという3つのマーケティング課題から、現状の強味と弱味がわかります。 また診断コンテンツには、ユーザーの性格、好み、スキルといった情報を診断結果に反映できるという特徴があります。そのため、メルマガの受信者が知りたい情報を件名に入れることで、開封率を向上させる効果が期待できます。 実際、ピクルスで作成した診断コンテンツを掲載した以下のメルマガの開封率は30.7%、クリック率が2.8%という数値を獲得しました。BtoB業界におけるメルマガ開封率の平均は約20%、クリック率の平均は1%前後とされていることから、平均を大きく上回っていると言えます。 さらに、診断コンテンツは、メルマガのセグメント配信にも活用できます。診断結果を元にユーザーの興味やニーズを分類し、ユーザーの興味関心に合ったメルマガを配信することで、開封率向上の効果が見込まれます。メルマガの開封率にKPIを設定する KPI(重要業績評価指標)とは、KGI(重要目標達成指標)達成のための中間目標としての評価資料です。メルマガにおいては、開封率、配信数、クリック率などがKPIとなります。例えば、メルマガのリンク先のECサイトでの製品購入をKGIとして設定している場合、配信数やクリック率は同じであっても、開封率を高めることができれば、KGIである製品購入は増加する可能性が高くなります。このように、メルマガのKGIを明確に定め、KGIを達成するための指標としてKPIである開封率の改善に取り組みましょう。そうすることで、自社のビジネスの目的に沿ったメルマガ運用が可能になります。配信時間の最適化 メルマガの開封率は、早朝(4:00 – 6:00)または夕方(17:00 – 19:00)に送信すると高くなると2023 Email Marketing Benchmarks by GetResponseでは報告されています。早朝と夕方の開封率が高い理由は、以下のように説明されています。・メルマガの受信者が朝起きる前、もしくは仕事を終える前である・メールボックスに他のメールが届く前の時間帯つまり、メルマガの受信者の時間的な余裕のある時間帯であり、メールボックスにメールが溜まっていないため、自社のメルマガが開封される可能性が高まるということです。なお、ターゲット顧客によって時間的な余裕のある時間帯は異なるため、上記の時間帯にメルマガを配信しても開封率が高まらない場合は、他の時間帯も試すことをおすすめします。また、メルマガ配信システムによっては、配信時間の自動最適化が可能なものもあるため、通常の配信時間とABテストを行うと良いでしょう。曜日の最適化 平日であればメルマガの開封率に大きな差はありません。ただし、土曜日と日曜日の場合は開封率が下がると、2023 Email Marketing Benchmarks by GetResponseで報告されています。 そのため、土日を避けて送ることが、メルマガの開封率を高く保つためのポイントだと言えます。興味を引く単語を入れる メールの件名に受信者の興味を引く単語を入れることで、メルマガの開封率が向上すると2023 Email Marketing Benchmarks by GetResponseで報告されています。開封率が高まった単語は、以下のものです。 これらの単語をメルマガの件名に入れることで、開封率の向上が期待できます。なお、ターゲット顧客によって興味を引く単語は異なるため、顧客理解を深めどのような単語を件名に入れれば開封率が向上するかテストを繰り返すことが重要です。効果的ではない施策 一見すると効果がありそうですが、実際は効果的ではない施策が2023 Email Marketing Benchmarks by GetResponseにて報告されていたため紹介します。以下の表にまとめた施策に関しては、実施するか慎重に検討する必要があります。メルマガの開封率を測定する方法 メルマガの開封率は、Googleが提供している「Googleアナリティクス」に搭載されている「Measurement Protocol」を使用することで測定が可能です。具体的には、計測用のパラメーター付きURLをHTMLのソースに挿入し、配信します。パラメーター付きURLは「Hit Builder」を使うことで作成可能です。ただし、Googleアナリティクスを活用してメルマガの開封率を計測した場合、メルマガを開封しただけで「Webサイトにアクセスした」と測定されるため注意が必要です。純粋なメルマガ開封率を計測したい場合は、先ほど『メールの開封率を取得する仕組み』『メルマガ開封率の計算方法』で紹介した方法を利用してみてください。もしくは、有料ツールを使って測定するのも良いでしょう。ピクルスではZohoというCRM(顧客管理)ツールを使ってメルマガ配信をしていますが、配信後の測定も自動で行ってくれるので便利です。また、「Cunote FC」のようなメール配信専門のシステムを利用すれば、より効果的・効率的なメルマガ運用が期待できます。まとめ 今回の記事では、メルマガの開封率を上げるための具体的な方法について解説しました。メルマガの開封率を上げるためには、診断コンテンツを活用する、開封率にKPIを設定する、配信時間を最適化するといった、様々な方法があります。自社の開封率のデータが今回紹介した業種別のメルマガ開封率のデータよりも低い場合は、改善に取り組むことをおすすめします。診断コンテンツを活用したナーチャリングにおける実際の事例を見ておきたい人は『ナーチャリング効果を高める診断コンテンツのメリット&事例を解説』を参考にしてみてください。