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保険業界の集客・販売課題を解決する診断コンテンツ|活用事例まとめ【8選】
保険業界の集客や販売方法が変化する中、注目を浴びている診断コンテンツ。従来の対面営業スタイルに対する抵抗感が高まる中、オンラインでの効果的な営業ツールとして診断コンテンツを用いる企業が増えています。この記事では保険営業に診断コンテンツを活用するメリットとともにその活用事例を紹介します。
更新日:2024/11/19 公開日:2023/08/29
保険業界は保険に対する意識の変化や販売手法の多様化など、様々な環境変化に直面しています。このような顧客ニーズの変化に対して、新たなアプローチ手法として注目されているのが「診断コンテンツ」です。
診断コンテンツとは、ユーザーからの回答を得ることで、その人に最適化した情報を提供するコンテンツです。
診断コンテンツには、顧客満足度やリピート率、ブランドイメージの向上など、様々なメリットがあります。
この記事では、保険業界での導入が進んでいる「診断コンテンツ」の事例を8つ紹介します。診断コンテンツが保険業界において、どのように活用されているかの参考にしてください。
※当コンテンツは、保険業界で差をつける診断コンテンツの開発・運用に効果を発揮する診断作成ツール「ヨミトル」を提供するピクルスが監修しています。
目次
変化する保険加入者の意識
日本は世界でも屈指の保険大国です。生命保険文化センターの調査によると、2022年の生命保険加入率は男性が77.6%、女性が81.5%。30~60歳代においては、男女共に80%を超えている状況です。
その背景には、インターネットの普及、保険の比較、コロナ禍による生活環境の変化などが挙げられます。
これまで保険の詳しい内容を自分で調べるのは、専門知識が必要だったりとても手間がかかる状況でした。しかし、インターネットが普及したことで、この状況が大きく変化します。ユーザーはインターネット上のサイトや動画などを通じて、保険に関する情報を自分で収集できるようになりました。それによりユーザーが自分の保険内容に高い関心を持ち始めるとともに、保険営業職員からの情報だけでは物足りなさを感じるケースが増えています。
この流れに拍車をかけたのが、保険比較サイトや保険相談窓口です。これらのサイトや保険窓口ができたことで、ユーザーは保険営業職員からの限定的な情報ではなく、様々な保険商品の特徴や料金を簡単に比較できるようになりました。
このような背景からも「多くの選択肢の中から自分に合った保険を選びたい」というユーザーのニーズはさらに高まっていると言えるでしょう。
※販売手法の参考
保険業界のマーケティング課題を解決する「診断型保険商材レコメンドツール」を紹介!
保険選びの悩み
人生における大きな買い物は何かご存知でしょうか?
実は大きな買い物の第1位は「家」で、第2位が「保険」です。それほど、保険は私たちの人生において、とても大切な役割を果たしています。
しかし、私たちが自分に適した保険を選ぶことは、簡単ではありません。保険には様々な種類があり、保険会社や営業職員からの情報だけでは、必ずしも保険に関する不安が解消されるのに十分な情報内容を得られるとは限りません。
ここでは、保険選びの際にユーザーが抱える悩みについて解説します。
保険を選ぶ基準
現在、日本では多種多様な保険が販売されています。そのため、多くのユーザーは保険の詳しい内容を的確には理解できず、様々な不安を抱えています。
本来、保険を選ぶ際は自分の生活スタイルに合った、適切な保険を選ぶのが理想的です。しかし、保険についての基礎知識不足や専門用語の難解さが、保険を選択する際のハードルとなっています。
また、そもそも保険が本当に必要なのかという疑問も存在します。現在、日本は賃金の伸び悩みや公的負担の上昇により、個人の可処分所得が1990年代以降、伸び悩んでいます。
※参照 「内閣府 マクロ・世帯属性からみた所得・資産動向」
したがって、これからはユーザーに保険情報を分かりやすく提供し、その保険選びを的確にサポートすることができるかが、保険会社に求められるようになるでしょう。
営業職員に対する警戒感
保険は、人生の様々なリスクに備えるために必要なものです。しかし、保険会社の営業職員に対するイメージは必ずしも良くありません。
実際に、保険会社のイメージを調査したところ、否定的な印象を持っている人が約65%にも上ることが分かりました。この否定的な印象の背景には、営業職員に関わる様々な認識とイメージが関与しています。
営業職員による販売は、現在でも保険の中心的な販売手法です。しかし、営業職員以外からの保険販売は着実に増加しており、今後、多様化するユーザーニーズにどのように対応していくかが問われていくでしょう。
保険選びを変える「診断コンテンツ」
多くのユーザーは保険選びに際して、「保険知識がない」、「営業職員に警戒感を抱く」というジレンマを抱えています。その結果、保険に対するニーズはいまだ高いものの、自分にとって最適な保険をどうやって選べば良いか分からないという不安を抱いています。
このような不安に対して求められているのが、第三者的な視点からの意見やアドバイスの提供です。ユーザーは第三者からの客観的な視点や情報を受けることで、保険選びにおける迷いや悩みを大きく軽減できます。
そのような中、保険業界で大きく注目されているのが、診断コンテンツを用いた集客・販売手法です。
診断コンテンツはオンライン上で保険に関する第三者の意見を受けとれるため、営業職員のような心理的負担を感じることはありません。
また、診断コンテンツを通して得られた保険に関する診断やアドバイスは、ユーザーの情報不足や不安を補い、ユーザー自らの保険選びを的確にサポートできます。ユーザーは客観的な視点からの意見や信頼性のある情報を得られることで、自分に合った保険選びがよりスムーズに行えるようになります。
診断コンテンツは、保険に対するユーザーのジレンマを解消し、保険選びを変える大きな可能性を持ったコンテンツと言えるでしょう。
診断コンテンツのメリット
診断コンテンツはユーザーが簡単な質問に答えるだけで、自分に必要な保険の種類や保障額、保険料などを診断してくれるオンライン上のサービスです。診断コンテンツは、ユーザーへ保険に関する第三者的な意見を提供することで、ユーザーの保険選びをサポートする有効なツールです。
ここでは、診断コンテンツを保険の集客・販売手法として活用することで得られるメリットについて解説します。
集客力アップ
診断コンテンツは時間や場所を選ばずに利用できるため、ユーザーにとって利便性の高いコンテンツです。ユーザーは「保険について知りたい」と思いつけば、オンライン上から気軽に利用できます。そのため、診断コンテンツは保険営業の入り口として、他のコンテンツよりも高い利用率を見込めるでしょう。
また、診断コンテンツによる診断結果はSNSでのシェアなどにより、多くのユーザーに認知度を高める効果が期待できます。
さらに、診断コンテンツはSNSで拡散されれば、広告コストをかけずに集客することも可能です。特にX(旧Twitter)の拡散効果は高く、うまくシェアされれば少ない広告費で認知拡大や集客を図れます。
第三者による商品提案
診断コンテンツを活用すれば、ユーザーへ第三者的な視点から商品提案することができます。診断コンテンツは人手を介さずにユーザーへ情報提供するため、ユーザーは診断結果を第三者からの意見ととらえやすく、保険営業に対する抵抗感や警戒感を減らすことが可能です。
また、診断コンテンツは自分に最適化した保険情報を、ユーザーに提供します。そのため、「保険に入った方が良い理由」「適切な保障内容」「保険によって備えられる不安」を第三者的な立場から伝えることができ、自然と商品理解が進み契約率が上がります。
顧客育成
保険は”今すぐに必要な商材”ではありません。そのため、ユーザーを契約につなげるには、適切な情報を提供しながらその必要性を伝え、顧客育成をしていく必要があります。
診断コンテンツではユーザーが診断を受ける際に、メールアドレスやLINEアカウントを登録してもらうことが可能です。そのため、その場では契約に至らなくても、メールやLINEで保険の豆知識を伝えたり、ユーザーが保険について学べるコンテンツを伝えていくことで契約まで顧客育成ができます。
CRMの改善
CRMとは顧客との関係性を管理するシステムのことで、顧客満足度やロイヤルティの向上、売上や利益の拡大などを目指す経営戦略です。
診断コンテンツは保険の集客・販売において、CRMの改善に寄与することができます。
診断結果というコンテンツは、ユーザー一人一人に最適化された情報のため、他の一般的な情報より閲覧する価値が高い情報です。そこで、契約更新がないユーザーや失注したユーザーに対して、この診断結果をメルマガやLINEで提供すれば、他のコンテンツよりも高い開封率が期待できます。
また、既存客に対しても、ライフステージの変化などに合わせた商品提案などを行えば、より高額な商品へのアップセルや、関連性の高い商品へのクロスセルを促すことが可能です。これらの方法を活用することで、CRMの改善や見直しにつなげることができるでしょう。
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保険業界の診断コンテンツ事例
現在、保険業界では診断コンテンツを活用した、様々な集客・販売が行われています。
ここでは、それらの診断コンテンツの中から、注目されている8つの具体事例を紹介します。
『事例でわかる保険ガイド』
「事例でわかる保険ガイド」は、パナソニック保険サービスが展開している、ライフスタイルに合った保険をおすすめしてくれる診断です。
「事例でわかる保険ガイド」では、ユーザーの年齢や性別、ライフスタイルや将来への不安を分析して、おすすめの保険を1~3位のランキング形式で診断します。
ユーザーはおすすめされた保険の詳しい情報を見ることができ、自分のライフスタイルに適した保険を簡単に把握できます。
この診断ではユーザーに具体的な保険を紹介することで、より具体的に商品をイメージさせることに成功しています。
『パーソナル保険診断』
「パーソナル保険診断」は、株式会社カカクコム・インシュアランスが展開している、健康に関する簡単な質問で、おすすめの保険を提案してくれる診断です。
「パーソナル保険診断」では、ユーザーの年齢や性別、健康に関する情報を分析して、おすすめの保険を紹介します。
診断に回答する合間には保険に関する豆知識が紹介され、診断を受けるだけで保険の知識を身につけられるという工夫が施されています。
また、保険についてはおすすめする理由を確認でき、サイトの第三者的なスタンスを保つことで診断結果の信頼性を高めることに成功しています。
『あなたにぴったりの保険診断』
「あなたにぴったりの保険診断」は、ライフネット生命保険株式会社が展開している、1分で自分にぴったりの生命保険が分かる診断です。
「あなたにぴったりの保険診断」では、ユーザーの年齢や性別、必要な保障内容を入力すると、おすすめの保険を一覧で紹介します。
質問はとても分かりやすく簡単に回答できるため、自分にぴったりの保険をたった1分で知ることができます。
また、おすすめされたプランについて、相談や資料請求、見積もりなど契約までの流れがスムーズに行えるよう設計されていて、リードから顧客獲得への成約率を高める工夫がされています。
『かんたん保険診断』
「かんたん保険診断」は、日本生命保険相互会社が展開している、あなたが備えておくべきリスクが分かる診断です。
「かんたん保険診断」では、簡単な5つの質問に答えるだけで、あなたが備えた方が良い3つのリスクを診断してくれます。
それぞれのリスクについてもっと知りたい場合は、クリックすれば詳しい説明や無料保険相談を申し込むことができます。
将来に対して漠然とした不安を抱えている方にとって、分かりやすいアドバイスになる仕組みが構築されています。
『みんなの保険診断』
「みんなの保険診断」は、楽天インシュアランスプランニング株式会社が展開している、自分と同世代の人たちがどのような保険に加入しているかが分かる診断です。
「みんなの保険診断」では、年齢やライフスタイルに関する質問に回答すると、同じ回答の人がどのような保険に加入してくれるかを診断してくれます。
診断結果には同じ条件で加入している人数、1ヵ月あたりの平均保険料をはじめ、他の人がどのような保険に入っているかの詳細を案内してくれます。
また、ファイナンシャルプランナーからの実名コメントもあり、気軽に相談しやすい雰囲気づくりを行っています。
『保険アドバイス診断』
「保険アドバイス診断」は、りそなグループが展開している、あなたに適した保険を1分で見える化する診断です。
「保険アドバイス診断」では、年齢や生活不安に関する質問に回答すると、保険の必要度と現状を保険の種類別に見える化してくれます。
診断結果にはワンポイントアドバイスや簡単見積もりなどもあり、保険が気になったら簡単に相談できる仕組みがつくられています。
また、同世代の保険加入に関する情報も紹介されていて、様々な角度から自分に必要な保険を検討できます。
『医療保険 AI商品提案』
「医療保険 AI商品提案」は、Sasuke Financial Lab株式会社が展開している、あなたに合う医療保険をAIが診断してくれるコンテンツです。
「医療保険 AI商品提案」では、年齢や生活不安に関する7つの質問に回答すると、AIが診断したおすすめ保険商品を提案してくれます。
おすすめされた保険商品は、それぞれのおすすめ理由を確認できるとともに、プランの中身や申し込み画面にも簡単に移行できるようにつくられています。
また、おすすめ保険の詳細説明画面では、保険の特徴解説やファイナンシャルプランナーからのコメントがあり、おすすめ保険をじっくりと検討できるようになっています。
『はじめての保険診断』
「はじめての保険診断」は、株式会社セブン・フィナンシャルサービスが展開している、あなたに保険の優先度を診断してくれるコンテンツです。
「はじめての保険診断」では、年齢やライフスタイルに関する質問に回答すると、あなたに必要な保険の優先度を分かりやすく紹介してくれます。
診断結果にはそれぞれの保険について詳しく解説されているとともに、保険種類ごとのランキングも紹介されています。
また、電話での相談にも対応しており、様々な方法で保険に関する相談ができる仕組みを構築しています。
パナソニック保険サービスの診断を体験してみた
今回、様々な保険診断コンテンツの中から、パナソニック保険サービスの「事例で分かる保険ガイド」を体験してみました。
この診断では、自分のライフスタイルなどに関する以下の質問に回答します。
・年齢、性別
・家族構成や車、ペットの有無
・趣味や運動習慣
・生活の心配事
・自分の価値観
質問に対する選択肢にはイメージしやすいイラストが用いられて、とても分かりやすく回答することができました。
質問数は5問と少ないため、回答する煩わしさはほとんど感じませんでした。
また、診断結果はおすすめの保険がランキング形式で紹介され、どのようなケースでいくらぐらいの保険金が支払われるかの事例が紹介されました。
保険を自分で検討するとき、問題になりやすいのは「保険の種類が多いこと」と「支払保険金をいくらに設定するか」です。
「事例で分かる保険ガイド」はこの難しい問題を、自分に最適化してくれた上で、詳しい情報も調べやすい仕組みになっています。
このような仕組みであれば、保険に関する基礎知識にそれほど詳しくない人でも、自分に適した保険を検討しやすいなと感じました。
まとめ
ここまで、保険業界における診断コンテンツのメリットと、その具体事例を紹介しました。
診断コンテンツはユーザーの新しい保険選びに対応し、保険業界の集客・販売課題を解決する有力なツールです。ユーザーに最適化した情報をオンライン上で提供することは、保険情報を提供している企業やサイトの信頼度を高めるとともに、保険加入を後押しする効果も期待できます。
また、診断コンテンツから得た情報を活用することで、保険会社のCRMの改善にも繋げることも可能です。
時代が大きく変化したとしても、ユーザーは将来に対する不安を抱え続けるものです。そのような顧客の不安やニーズを把握し、適切なタイミングでアプローチすれば、顧客との信頼関係を深められ、適切な保険契約へとつなげられます。
保険業界においても診断コンテンツを積極的に活用し、顧客満足度の向上とビジネスの成長を目指していきましょう。
※参考 保険業界向けの診断コンテンツ情報
保険業界のマーケティング課題を解決する「診断型保険商材レコメンドツール」を紹介!
ライター:トライフィール
心理学マーケター
任天堂の大ヒットDSソフト「レイトン教授と不思議な町」の監修を務めた心理学者「多湖 輝」氏のもとで診断を開発。心理学、脳科学、行動分析などをベースに大手メーカー、大手出版社での開発実績をもつ。SNS発信とブログ運営で身につけた文章術を用いて「人間心理×ビジネス」の在り方を次の世代へと紡ぐ。 ・SNS https://x.com/trifeel1 ・HP https://trifeel.co.jp/