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【2024年最新】アメリカの成功事例から学ぶコンテンツマーケティング戦略
アメリカでも積極的に行われているコンテンツマーケティング。今回はアメリカのコンテンツマーケティングの特徴と現状、そして最新の成功事例をご紹介します。他社と違う方法で売上を伸ばしたいマーケター・セールスの方、必読です。
更新日:2024/10/25 公開日:2024/07/17
一言でコンテンツマーケティングといっても、SNSを活用したもの、インフルエンサーを活用したものなど様々な手法があります。何らかのコンテンツマーケティングを行っている企業は多いかと思いますが、戦略的に実施できているか正直分からないという方も多いでしょう。
そこで今回の記事では、アメリカのスタートアップでコンテンツマーケティングに2年以上関わる筆者が最新のコンテンツマーケティング事情をご紹介します。
実際にアメリカ企業でコンテンツマーケティングに成功している事例なども紹介しますので、ぜひ自社のコンテンツマーケティングへのヒントを見つけてみてください。
目次
日本とアメリカにおけるコンテンツマーケティングの違い
日本ではまだまだ新聞広告や電車の吊り革広告などのオフライン広告の活用が多いですが、
アメリカではデジタルマーケティングが最も主流です。多くの企業が実際にコンテンツマーケティングにおけるデジタルマーケティングに注力することで成長してきました。
日本はアメリカと比べてデジタルマーケティングの広まりが遅いと言えます。そのため、アメリカのコンテンツマーケティングを参考にするにあたっては、そもそもの国としての違いと直近の傾向を確認する必要があります。
ネット利用人口の違い
2024年2月にDATAREPORTALによって発表されたデータによるとアメリカのネット利用人口は3.311億人。これはアメリカの人口全体の97.1%にあたります。アメリカでは年齢問わず、多くの人がネットを利用していることが分かります。
一方で同じく2024年2月のDATAREPORTALによって発表されたデータによると日本のネット利用人口は1.044億人。全体の84.9%です。
このように、ネット利用人口の違いからも、アメリカの多くの企業がオンライン上のコンテンツマーケティングに注力する必要があることが分かります。
また、気になる日本の年齢別のネット利用者についてですが、2022年の総務省のデータを確認すると、60代以上の年齢層ではネット利用率が大幅に下がっていることがわかります。
【年齢階層別】インタネット利用率 | |
50~59歳 | 95.4% |
60~69歳 | 86.8% |
70~79歳 | 65.5% |
80歳以上 | 33.2% |
ネットを利用していない15%の日本人の多くが60歳以上であることが予想されることから、高齢者層をターゲットにした製品・サービスのマーケティング活動においてはオフラインを取り入れていく必要があることが分かります。
SNS利用人口の違い
ネット利用人口と同じくらい、デジタルでのコンテンツマーケティングで大事になってくるのがSNS利用人口です。
先ほどと同様、2024年2月にDATAREPORTALによって発表されたデータを確認すると、アメリカのSNS利用人口は2.39億人、人口全体の70.1%にとどまります。一方で日本のSNS利用人口は9600万人です。数字だけをみると少なく感じるかもしれませんが、これは全体人口の78.1%にあたるので、アメリカに比べるとSNS利用人口の比率は高いことが分かります。
アメリカ企業のコンテンツマーケティングの成功事例を参考にする際は、そもそもの人口の違いも念頭に置く必要があることも忘れないでください。
検索エンジンの違い
人口の違いに加えて、忘れてはならないのは、主流な検索エンジンが国によって異なる場合があることです。例えばですが、韓国ではGoogleよりもNaverがまだまだ主流な検索エンジンであることをご存知でしたか?
アメリカと日本では次のような違いがあります。
bing | Yahoo! | ||
アメリカ | 87.0% | 7.8% | 2.5% |
日本 | 88.0% | 10.0% | 9.7% |
上記の通り、日本では若干Yahoo!の比率が高いものの、基本的にはアメリカ同様、Google対策に注力するので問題ないでしょう。
参考データ:
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/united-states-of-america/
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan
アメリカで主流のコンテンツマーケティング
アメリカで実施されている主流のコンテンツマーケティングとしては下記の6つがあげられます。
・SNSマーケティング
・ニュースレターマーケティング
・インフルエンサーマーケティング
・ポッドキャストマーケティング
・ペイドアド(広告)マーケティング
・診断コンテンツ活用マーケティング
日本ではまだ主流になっていないマーケティング手法もあるので、一つずつ確認していきましょう。
SNSマーケティング
既に日本の79.1%がSNSを利用しているというデータをご紹介した通り、世界中でSNS利用人口が増えています。そのためSNSマーケティングは多くの国で主流のマーケティング手法となっています。
SNSマーケティングは気軽に自社を知ってもらう方法として非常に有効です。また、ユーザー(顧客)との距離も近く、気軽にコミュニケーションが取れるのもSNSマーケティングの大きな特徴です。Instagramの質問機能や投票機能などを活用して自社製品のアンケートを取る企業も増えています。
直近ではショート動画を活用しての認知獲得が特に有効です。BtoBの企業は採用目的などでSNSマーケティングを使用する例も多くあります。
ニュースレターマーケティング
ニュースレターマーケティングとは、いわゆるメールマーケティングです。アメリカでは企業ストーリーやメッセージを伝えて顧客との関係性を構築する手段としてニュースレターを活用することが多いです。大企業ではなく、個人ブランドなどが個人でニュースレターを通して発信するケースもあります。
ニュースレターマーケティングは最新情報を顧客に対してシェアすることができ、ホームページなどへのリンクの遷移もスムーズにできるのが特徴です。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、主にSNSなどでフォロワー数の多い、影響力のある人に自社製品やサービスを使用した感想などを投稿してもらうことを指します。認知獲得のみを目的とする場合もありますが、紹介リンクや紹介コードを掲載してもらうことでコンバージョン数を計測する場合もあります。
直近ではインフルエンサーマーケティングに取り組む企業が増えていることから、インフルエンサーの1件あたりの案件相場も上がっています。
そのため、ニッチなファンを集めているフォロワー数が少ないインフルエンサーを起用する企業も増加。具体的には1万人〜10万人フォロワー数のマイクロインフルエンサーと、フォロワー数が1万人以下のナノインフルエンサーへの案件が増えています。
フォロワー数が多いほど認知は取れるかもしれませんが、数は少なくても熱狂的なファンがいるインフルエンサーの方がコンバージョン数が取れることもあります。フォロワー数はあくまでも目安にしておき、予算とターゲットに合わせたインフルエンサーの起用がおすすめです。
ポッドキャストマーケティング
アメリカではポッドキャストを活用した音声マーケティングの市場が急成長しています。自社でポッドキャストを始める企業もあれば、インフルエンサーのポッドキャストに広告出稿する形をとる企業もあります。
日本でも「タイパ」というタイムパフォーマンス(時間対効果)を略した言葉が話題になりました。今後タイパを意識する人が、移動時間や作業時間に動画や文字ではなく音声を活用して情報を得る人が増えていくでしょう。
まだまだ日本でポッドキャストマーケティングを行っている企業は少ないですが、人材系の会社やオンライン英会話を提供している会社などが、ビジネスマンなどにアプローチする方法として活用し始めています。
ペイドアド(広告)マーケティング
ペイドアド(広告)マーケティングとは、企業が費用を払って広告を出稿するマーケティング手法です。主にターゲットを指定して出稿するGoogle広告やMeta広告などのデジタル広告を指します。
デジタル広告、Web広告の強みはターゲットを絞って訴求ができる点です。年齢や性別、地域を絞ってアプローチができるので、届けたい人に情報を届けられます。ターゲットに合わせて画像やコピーライティングを変更することでよりコンバージョン数を上げることも可能です。
また、予算の状況に合わせて日々調整ができる点や、A/Bテスト(特定の要素を変更した2種類の広告を出稿し、どちらが良いかをテストすること)が行える点などもペイドアドマーケティングのメリットです。
診断コンテンツ活用マーケティング
診断コンテンツ活用マーケティングとは、設問に対するユーザーの回答に応じてパーソナライズされた回答を提供する診断コンテンツをマーケティングに取り入れることです。
日本でも話題になった性格診断テスト、MBTI診断などが診断コンテンツに該当します。
性格診断テスト以外にも、言語学習アプリを提供する会社が「スピーキングレベル診断テスト」を開発し、「まずは無料会員登録してスピーキング力をAIで診断しよう!」とペイドアドマーケティングを行った事例も。自分のスピーキング力がどう評価されるか気になったユーザーを無料会員登録に誘導することでリード(メールアドレス)の獲得に繋げたのです。
診断コンテンツはサービスに興味を持ってくれたユーザーに対し、ホームページへの遷移を促すとてもいいフックとなります。
日本でもオウンドメディアと診断コンテンツを組み合わせてマーケティング活動を行ったことでリード獲得(メルマガ会員獲得)を増やした事例がありますのでぜひご確認ください。
診断コンテンツ導入インタビュー『診断クラウド「ヨミトル」導入で実現!メルマガ会員数急増の背景とは』
アメリカでコンテンツマーケティングを成功させる方法
具体的なコンテンツマーケティング手法をご紹介してきましたが、次に全てのコンテンツマーケティングにおいて大事にしたい、成功ポイントをご紹介します。
データを収集・分析して活用する
ニュースレターマーケティング、インフルエンサーマーケティングなど全てのコンテンツマーケティングを成功させるポイントと言えることが、しっかりとデータを集め、分析することです。
一度うまくいかなかったからとすぐにそのマーケティング手法を諦めるのはもったいないです。SNSの場合はアルゴリズムの影響が原因の場合もあるので、コンテンツの文字サイズや遷移先リンク、投稿タイミングを変えてみるなど工夫をして、まずはデータを収集してみることをおすすめします。
またA/Bテストも、データ収集・分析の観点において効果的です。ある程度のデータがたまったら、機能したマーケティング手法だけに絞るのもいいでしょう。
量よりも質を重視する
コンテンツマーケティングにおいて忘れてはならないのが、世の中が今コンテンツだらけで、飽和状態になっているという点です。これはあらゆる業界に共通して言えることで、どうしても量で勝負しようとしてしまいますが、質を重視することが会社の成長につながります。
焦って低クオリティの投稿やメールを毎日するのではなく、頻度は下がってもクオリティの高い、しっかりと顧客の心をつかむことのできる投稿を続けることを意識してみてください。
戦略を考えてから動く
「会社の成長のためにとりあえずやらないと」と見切り発車をすることはおすすめしません。コンテンツマーケティングで成果を出したいのであれば、まずはターゲットの明確化やKPIなどの目標設定を行いましょう。
具体的には以下の点を明確化することが大切です。
・そもそも自社製品・サービスの強みは何か
・どんな人に届けたいか
・予算に対してどれくらいのユーザーを増やしたいか
上記を明確にし、「どのコンテンツマーケティングが自社にフィットするか」を見極め、その上でコンテンツの製作に移ってください。
アメリカのコンテンツマーケティング成功事例
アメリカの企業でコンテンツマーケティングにより事業を成長させた成功事例を3社、ご紹介します。自社でコンテンツマーケティングを実施する際の参考にしてください。
Duolingo
Duolingo(デュオリンゴ)は言語学習アプリを提供するアメリカの企業です。TikTokを活用したSNSマーケティングで話題を集め、急成長を遂げました。
特に自社マスコットが出演する動画がバズっており、現在の公式TikTokアカウントのフォロワー数は1240万人にのぼります。
JetBlue
アメリカ国内線の格安航空といえばJetBlue。JetBlueは搭乗体験など経験にフォーカスした動画を製作し、コンテンツマーケティングに注力したことで注目を集めました。
顧客の共感を生み、話題となったのは飛行機内でのエチケットについての動画シリーズです。
このように顧客に寄り添ったコンテンツの活用は、ブランドイメージの向上や認知獲得、さらにはファン獲得に繋がり、結果的には企業の売上に貢献してくれるでしょう。
Salesforce
Salesforceは顧客関係管理 (CRM) ソリューションを中心としたクラウドコンピューティング・サービスを提供するアメリカの会社です。
SalesforceではeBook(いわゆるホワイトペーパー)や調査レポート、導入事例動画、そしてニュースレターを活用したBtoB向けのコンテンツマーケティングに注力することで企業を成長させています。
特に固くなりがちなBtoBのコンテンツマーケティングにおいて、ストップモーションを取り入れたアニメーション化された動画などを公開。動画が潜在顧客の関心をひきつけたことが成功の要因となりました。
コンテンツマーケティングの今後
コンテンツマーケティングに取り組む企業が増え、コンテンツが溢れている今、業界はもちろんのこと、BtoCあるいはBtoB問わず、顧客の印象に残るようなマーケティング活動が企業成長に必須となっています。そして、そのためには他社が行っていないマーケティング手法や、他社とは異なった発想に基づくコンテンツ製作が欠かせません。
今回はアメリカのコンテンツマーケティングを参考に、日本でも取り入れることのできるマーケティング手法を6つご紹介しました。その中でもSNSを活用したマーケティングは2024年も多くの企業が注力するでしょう。
SNSマーケティングと親和性の高い診断コンテンツにも今後さらに注目が集まることが予想されますので、診断コンテンツ活用マーケティングが気になった方はぜひ『【脱しつこい広告】コンテンツマーケの主流は診断コンテンツになるか?』を参考にしてみてください。
ライター:Karen
マーケター
教育業界にてコンテンツマーケティングに3年以上従事。バイリンガルである強みを生かし、マーケターとして働く傍ら、ライター・翻訳者・通訳としても活躍中。