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QRコードを販促に活用するポイント。効果測定の設計まで事例付きで解説
更新日:2024/11/12 公開日:2024/08/06
QRコードは、紙媒体などのオフラインからオンラインのプロモーション活動をシームレスに結びつける強力なツールです。当記事では、QRコードを販促に活用する具体的な方法、パラメーターの設計や効果計測の仕方、注意点、プロモーションの事例などを詳しく解説します。
※当コンテンツは、複数のマーケティング支援の実績をもつピクルスが監修しています。
目次
QRコードとは(2次元バーコード)
QRコードは、「Quick Response」の頭文字からとった造語で、1994年に日本の自動車部品メーカーである株式会社デンソーウェーブ(当時はデンソーの一部門)が開発した二次元バーコードの一種です。
当初は、製造現場での自動車部品の生産管理に用いられていましたが、その利便性から、生活のあらゆるシーンに用いられ普及しています。
スーパーのPOSや書籍のISBNコードで用いられる横方向の線で情報を表現する「一次元バーコード」と比べて、「QRコード」は縦横の二次元で情報を表現できるため、より多くの情報を収録できることが特徴です。
QRコードを活用するメリット
QRコードは、スマホを用いて迅速に情報の読み取りが可能で、紙やモノ・デジタル媒体を問わずに簡単に表示・印刷ができる特徴があります。そのメリットを紹介します。
メリット1:リアルからネットへの誘導ができる
QRコードの1つ目のメリットは、リアルからネットへの誘導が用意に可能なことです。
チラシや販促物にQRコードを印刷し、その情報をユーザーがスマホで読み取れば、該当するWebサイトにアクセスできます。
ユーザーは、URLのアルファベットを一文字ずつ入力する手間もなく、簡単に目的の情報にアクセスできます。
メリット2:無料で利用・作成できる
QRコードの2つ目のメリットは、商用目的の利用・個人的な利用に関わらず無料で利用できることです。QRコードの作成自体も無料で可能です。
QRコードの作成方法やマーケティングの活用方法などについては後ほど詳しく解説します。
メリット3:効果が計測できる
QRコードの3つ目のメリットは、効果が測定できることです。
今まで、チラシやポスターなどの販促物が、実際にユーザーにどのような影響を与えたか正確な計測はできませんでした。しかし、QRコードを印字しQRコード経由でのアクセスを計測することで、その販促物の効果が具体的な数値で計測できるようになりました。
効果測定の方法についても後ほど詳しく解説します。
QRコードの活用例
QRコードは、電子決済や商品管理、SNSの友達登録など、生活のあらゆるシーンで用いられています。ここでは主に販促での活用事例を紹介します。
事例1:販促キャンペーンでの活用
QRコードは商品やサービスのキャンペーンに用いられます。チラシやポスターにQRコードを印刷、表示し、ユーザーをキャンペーンサイトへ誘導することに用いられます。
事例2:情報の提供
QRコードは情報提供にも活用できます。チラシや商品パッケージは印字するスペースが限られています。しかし、QRコードを用いてサイトに誘導することで、より詳細な商品説明や最新情報、地図などをユーザーに提供できます。
事例3:顧客の囲い込み
QRコードは、顧客の囲い込みにも活用できます。QRコードを読み取ることで公式LINEへの誘導や会員サイトへの誘導、アプリのダウンロードを促すことができます。
事例4:アンケート調査
QRコードは、アンケート調査にも活用できます。QRコードを読み取ることでアンケートフォームに誘導し、顧客の意見を集めることができます。
QRコード活用のアイデア事例
QRコードは、紙媒体・デジタル媒体・モノを問わず印刷・表示でき、かつスマホをかざすだけでユーザーを誘導できます。
活用事例や具体的な設置箇所は次の通りです。
・タクシーに設置されたビジョンにQRコードを表示する
・街中にあるサイネージにQRコードを表示する
・レシートにQRコードを印字する
・Tシャツや衣服にQRコードを印字する
・販促物、ノベルティグッズにQRコードを印字する
・商品のパッケージにQRコードを印字する
QRコードの作成方法
QRコードは、無料で作成できます。作成方法は簡単で、無料の作成サイトにアクセスし、誘導したいURLを入力、設定を行うだけです。
無料作成サイトは複数あり機能がさまざまです。一例としてシンプルなQRコード作成サイトを紹介します。
QRコードが無料で作成できるサイト:QRコード(二次元バーコード)作成【無料】
また、効果を計測するためには、URLに追記するパラメーターの設定が必要です。次章で紹介するパラメーターをつけたURLでQRコードを作成することを推奨します。
Googleアナリティクス(GA4)でQRコードの効果測定が可能
QRコード経由でサイトに来訪したユーザーの行動をGoogleアナリティクスなどの計測ツールを用いて効果測定が可能です。
計測する際の手順は次の通りです。
1.遷移先のURLの末尾にパラメーターを付与する
2.パラメーター付きのURLをQRコードに変換する
3.印字する
以下にて詳しく解説していきます。
パラメーター設計法
Googleアナリティクスのパラメーターは「utm」とよばれる決まった変数に値を設定します。こちらのサイトで値を設定することでパラメーター付きURLが生成可能です。
必要なパラメーターは、以下4つ。他は任意での設定で記載がなくても問題ありません。
1.遷移先のサイトURL(Website URL)
2.キャンペーンソース(campaign source)
3.キャンペーンメディア(campaign medium)
4.キャンペーン名(campaign name)
以下にて、上記の各パラメータについて解説します。
1.遷移先のサイトURL(Webisite URL)
ユーザーがQRコードを読み込んだあとの遷移先URLを入力します。
2.キャンペーンソース(campaign source)
キャンペーンソースには、誘導元の広告主やサイトなどを記載します。
任意に設定できますので、DMに印字されたQRコードは「dm」、チラシに印字されたQRコードは「flyer」など社内で統一したルールを決めて設定しましょう。
3.キャンペーンメディア(campaign medium)
キャンペーンメディアは、Googleアナリティクスがあらかじめルールを定めている流入経路の分類(デフォルトチャネルグループ)に沿った値の設計が推奨されます。
デフォルトチャンネルグループは、検索からのサイト来訪は「Oraganic Search」、検索広告からのサイト来訪は「Paid Search」、メールからのサイト来訪は「Email」、Web経由ではなく直接サイトに来訪した場合は「Direct」に分類するように定義されています。
例えば、検索広告をクリックして来訪した場合は、キャンペーンメディアの値を「cpc」に設定すれば、デフォルトチャンネルグループ「Paid Search」に自動的に振り分けられます。
どのキャンペーンメディアがどのデフォルトチャネルグループに振り分けられるかは以下を参照ください。
https://support.google.com/analytics/answer/9756891?hl=ja
今回のQRコードからのアクセスに関して、Googleは特段にルールを定義していません。
Webを経由しない流入とみなし、キャンペーンメディアの値を「direct」に設定してデフォルトチャンネルグループ「Direct」に含めてしまう場合や、「Direct」の中に含めずに、計測したい場合はキャンペーンメディアを「qr」などの独自の値に設定して扱う方法もあります。
4.キャンペーン名(campaign name)
どのキャンペーンから流入しているかを計測する値です。任意に記述できるので、社内で統一したルールを決めて設定しましょう。
例えば、2025年の春キャンペーンのチラシの場合は「flyer_spring_2025」などの値を設定します。
計測パラメーター設計の注意点
計測パラメーターの値設定には注意点があります。以下の運用を推奨します。
注意点1.日本語を用いない
パラメーターの値は、半角英数字を用いてください。日本語などの2byte文字や記号を用いないようにしましょう。
Googleアナリティクスのような海外製ツールは日本語に対応していないケースがあります。そのため、日本語で値を設定すると文字化けして見づらくなることがあるのです。
また、「&」「?」などの記号もシステム的に意味が付されていることがあり、エラーの原因になりえます。そのため「_」以外の記号は利用は避けましょう。
注意点2.見やすくするための工夫
パラメーターの値を見やすく読みやすくする工夫の一つとして「スネークケース記法」を推奨します。これは、英語のフレーズを連結して記載するときに「_」で区切って記載する方法です。
例えば、2025年夏のキャンペーンのチラシの場合は「flyer_summer_2025」と記載することで意味を理解しやすくなります。
QRコードデザインの注意点
QRコードはスマホのカメラ機能での読み取りが前提となります。そのため、QRコードを印字や表示する際は、スマホで読み取りやすいように配慮する必要があります。
以下に、QRコードをデザインする際の注意点を紹介します。
小さすぎはNG
QRコードを読み取るには、ある程度の表示サイズが必要です。小さすぎるとカメラの焦点が合いにくく認識できない場合があります。
2cm×2cm以上のサイズになるようにデザインしましょう。
余白をつける
QRコードの周囲に、ある程度の余白を入れましょう。他のデザインと混ざってしまうとカメラがQRコードとして認識しない可能性があるためです。
2mm以上の余白を設けてデザインしましょう。
濃淡をはっきり
QRコードの濃淡(コントラスト)は、読み取りの精度につながるため、はっきりと記載しましょう。背景色に配慮し、QRコードがはっきり見えるようにデザインすることが大切です。
解像度を高めに
QRコードの画像の解像度は高めにしましょう。QRコードの画像の解像度が低いとドットがぼやけて、読み取りにくくなるためです。
特に印刷物に表示する場合は、印刷に耐えられる解像度の300dpi以上を確保することを推奨します。
反射する素材に注意
QRコードを印刷する素材にも配慮が必要です。QRコードはカメラで撮影をするため、反射する素材に印刷した場合、光の当たり方により、うまくQRコードが読めない場合があります。
カメラの性能が向上しているので、大概の素材は問題なく読めますが、反射する素材、光沢のある素材は、読み取りにくい場合があることを念頭におきましょう。
読取りたくなるQRコードデザインのカスタマイズ
標準的な黒と白のQRコードも機能的ですが、デザインを工夫することでユーザーの興味をひくことができます。QRコードでは以下のデザインカスタマイズが可能です。
カラーの変更
黒と白のドット以外に、QRコードの色を変えられます。
中央にロゴやキャラクターを埋め込む
QRコードの中央に画像を入れられます。ロゴやキャラクターを中央に表示すればユーザーの興味を引くでしょう。
写真やイラストをQRコードに変換できる
用意した写真やイラストをQRコード化できます。元の写真やイラストの特徴を保持しつつ、QRコードとして機能するデザイン性の高い独自のQRコードを生成できます。
動くQRコードもつくれる
上記の写真やイラストをQRコードに変換する技術を応用して、絵柄が動くQRコードも作成可能です。印刷物では実現不可能ですが、サイネージやスクリーンで活用できます。
QRコードを販促に活用する際の注意点
販促キャンペーンに活用できるQRコードですが、利用をする際にはいくつか注意点があります。以下に注意点を記載します。
QRコードの文言に関する注意
「QRコード」という言葉は、株式会社デンソーウェーブの登録商標になります。「QRコード」という言葉を印字、表示する際は制限があります。(QRコードの利用・活用は自由です)
参照元:QRコードの知的財産権について
商用利用で「QRコード」という文言を印字・表示するには
商用利用で「QRコード」という文言を印字・表示する場合は、事前に株式会社デンソーウェーブに問い合わせて許諾を得る必要があります。
また「QRコード」という文言を使わず、「2次元バーコード」「二次元バーコード」「サイトへリンク」「スマホで読み取り」などの言葉に差し替える方法もあります。
商用利用でない場合
商用利用でない場合は、事前許諾は不要ですが登録商標文の記載が必要です。
記載例:「QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です」
遷移先を充実させる
遷移先のコンテンツが充実していないと、ユーザーの期待を裏切ることになり、結果的にブランドイメージの低下を招く可能性があります。そのため、QRコードを使った販促キャンペーンを行う際は、遷移先のスマホサイトのコンテンツが極めて重要です。
サイトで宣伝を表示するだけでなく、スマホですぐに参加できるX(旧Twitter)や、instagramなどのSNSを活用したキャンペーンは相性の良いコンテンツといえます。
プレゼントや特典を用意してシェアを促せば、より多くのユーザーに拡散する効果的なプロモーションが実現します。
SNSキャンペーンをご検討の方は下記記事を参照ください。
【2024年最新】SNSキャンペーン成功事例18選!手法や実施する4つのコツを解説
また、SNSキャンペーンは診断コンテンツと相性がよいため、効果的なプロモーションを行いたい企業にはおすすめです。実際、株式会社ピクルスが公開した「16タイプマーケター診断」は、SNSキャンペーンと組み合わせることで5万6,000回以上の実施数と、1万400回のシェアを獲得し、大幅な認知拡大に成功しました。このSNSキャンペーンと診断コンテンツを組み合わせた「診断キャンペーン」については以下の記事で詳しく解説しています。
今注目の診断キャンペーンとは!?特徴やメリット、実施の4ステップを解説【事例あり】
QRコードを用いた販促事例
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社は、QRコードを活用し、毎年初春に「さくら」をテーマとした販促キャンペーンを行っています。
2023年のキャンペーンでは、店内のポスターやレシートに記載されたQRコードを読み取ると、スマホの画面内にARコンテンツが表示され、桜が舞い、キャラクターが登場する躍動感のある体験型コンテンツを提供しました。
まとめ
QRコードの登場により、チラシやポスターなどの印刷物からネットへの誘導が容易になりました。そして、これまで効果の測定が難しかった印刷物のプロモーションも、QRコードを利用することで定量的に評価できるようになり、マーケティング活動の効果を明確に把握できるようになりました。
このQRコードは、ダイレクトにスマホサイトに誘導できるため、単なる情報提供にとどまらず、SNSキャンペーンと連携させることで、より多くのユーザーにリーチし効果的なプロモーションを展開することができます。
たとえば、SNSでのシェアや投稿でプレゼントや特典が手に入るユーザー参加型のキャンペーンであれば、自然な形で口コミが広がり、さらに多くの人々にリーチすることが可能になります。
今注目の診断キャンペーンとは!?特徴やメリット、実施の4ステップを解説【事例あり】
ライター:J.F(ジェイエフ)
ライター
大手企業・ベンチャー企業にて、新規事業のPMを歴任。圧倒的な実践経験で上流戦略から現場までフルスタックで事業の成長にコミットするグロースハッカー。