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【専門家監修】離脱率とは?直帰率との違い、離脱率の改善方法を解説
離脱率とは何か、直帰率との違い、改善するための具体的な方法を詳しく解説。GA4での確認方法や、平均的な離脱率の目安も紹介します。この記事を読んでサイトパフォーマンスを最適化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させましょう。
更新日:2024/10/25 公開日:2024/08/22
離脱率とは、サイトのパフォーマンスを測る重要な指標で、訪問者が特定のページを最後にサイトを離れた割合を示しています。離脱率が高いページが複数ある場合、コンバージョンの低下につながる可能性があるため改善が求められます。
今回の記事では、Webサイトの運用・改善に10年以上携わってきた筆者が、これまでの実務経験で培ったノウハウを気にもとに、離脱率の改善方法を詳しく解説します。
離脱率を改善するためには、離脱率と直帰率の違いを明確に理解し、効果的な改善策を実施することが重要です。最新のGoogleアナリティクス4を活用した離脱率の確認方法や、離脱率の目安についても解説し、サイトパフォーマンスを最適化するための具体的なアプローチをお伝えします。
※当コンテンツは、離脱率改善に強みを持つ診断作成ツール「ヨミトル」を提供するピクルスが監修しています。
目次
離脱率とは
離脱率とは、Webサイトを訪れたユーザーが、あるページを最後に閲覧しサイトを離れた割合を示す指標です。具体的には、ユーザーがサイト内の他のページに移動せず、そのページを最後に見たままセッションを終了したり、外部のサイトへ移動したりすることを指します。
離脱率の分析により、ユーザーの興味を引き付けられていない、またはユーザー体験に問題がある可能性のあるページを特定できます。
離脱率が高いページは、コンテンツやナビゲーションに改善の余地がある可能性があります。そのため、サイトのコンバージョン率を向上させるためには、離脱率の分析が重要です。
離脱率の計算方法
離脱率は、ページやサイト全体の離脱数を総訪問者数またはページビュー数で割り、100を掛けることで計算できます。
離脱率の具体的な計算式は以下の通りです。
ページの離脱率 = (ページの離脱数 ÷ ページのページビュー数) × 100
サイト全体の離脱率 = (サイト全体の離脱数 ÷ サイト全体のページビュー数) × 100
例えば、特定のページを100人が閲覧(=ページビュー数)し、そのうち50人が次のページに遷移しなかった(=離脱数)場合、そのページの離脱率は50%となります。計算式は次のようになります。
離脱率 = ( 50 ÷ 100 ) × 100 = 50%
離脱率はページ単位でもサイト単位でも、同じ計算式を用いて算出できます。離脱率を定期的に分析することで、Webサイトの問題点を特定し、ユーザー体験の向上、コンバージョンアップにつなげることができます。
GA4での離脱率の見方
Google アナリティクス 4(GA4)では、従来のGoogle アナリティクスと異なり「離脱率」という指標は存在しません。しかし、GA4の離脱数とセッション数を使用して離脱率を計算することは可能です。
GA4の離脱数とセッション数のデータを取得して、次の計算式をエクセルなどで算出します。
離脱率 = ( 離脱数 ÷ セッション数 ) × 100
上記の計算式により、特定のページや全体の離脱率を計算できます。
離脱率と直帰率との違い
Webサイトのパフォーマンスを評価する指標として、「離脱率」と「直帰率」はしばしば混同されることがありますが、それぞれ異なる意味を持つ重要な指標です。
直帰率は、特定のページから始まったセッションで、そのページだけを閲覧してサイトを離れた割合を示します。ユーザーが他のページに遷移せずに離れたかどうかを示すため、直帰率はユーザーが最初に訪れたページを評価する際に役立ちます。
直帰率の計算式は、次の通りです。
直帰率 = ( 特定のページから始まった総セッション数 ÷ 特定のページから始まった直帰セッション数 )×100
例えば、ページBで始まったセッションが3回あり、そのうち1回が直帰セッションであった場合、ページBの直帰率は33%になります。
離脱率と直帰率の違いをまとめたものが、以下の表です。
離脱率が高い場合のデメリット
Webサイトで離脱率が高いということは、ユーザーが何もアクションを起こさずにサイトを離れている可能性があります。また、コンバージョンにつながる導線がうまく機能していないとも考えられます。
以下のケースで離脱率が高い場合は、特に注意が必要です。それぞれのケースで離脱率が高いデメリットについて説明します。
・ランディングページ
・ページビュー数が多いページ
・コンバージョン直前のページ
それぞれの離脱率を改善する方法は後述します。
ランディングページ
ランディングページは、ユーザーが最初に訪れるページであり、サイトやキャンペーンにおける第一印象に影響を与える重要な役割を担っています。ランディングページで離脱率が高い場合は、以下のようなデメリットがあります。
デメリット | 説明 |
ユーザーの期待に応えられていない | 離脱率が高い場合、ページの内容がユーザーの期待するレベルに達していない可能性があります。情報が不十分または不明確であると、訪問者はすぐにサイトを離れてしまいます。 |
コンバージョン率の低下 | ランディングページでユーザーの興味を引きつけられない場合、購入、問い合わせ、会員登録などのコンバージョンにつながりにくくなります。そのため、全体的なコンバージョン率を低下させる要因になります。 |
ROIの悪化 | 広告キャンペーンのランディングページで離脱率が高いと、広告のROIが悪化する可能性があります。クリックされたユーザーがすぐに離脱するため、広告の投資対効果が下がってしまいます。 |
ページビュー数が多いページ
ページビュー数が多いページは、多くのユーザーが訪れるため、サイト全体のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。離脱率が高い場合のデメリットは、以下の通りです。
デメリット | 説明 |
ブランドイメージの低下 | 多くのユーザーが訪れるページで離脱率が高い場合、ブランドの信頼性やイメージに悪影響を及ぼしている可能性があります。 |
コンバージョン直前のページ
コンバージョン直前のページは、ユーザーが購入や登録、問い合わせといった最終アクションを行う直前の重要なステップです。離脱率が高い場合のデメリットは、以下の通りです。
デメリット | 説明 |
売上の損失 | コンバージョン直前のページでの離脱は、売上やリード獲得の機会を逃すことを意味します。特にユーザーが購入を完了する直前で離脱した場合は、売上に直接影響を及ぼします。 |
ユーザーへの悪影響 | 支払い情報や個人情報を入力するページで離脱率が高い場合、ユーザーが不安を感じている可能性があります。セキュリティへの懸念や、購入プロセスが煩雑であることが離脱の原因として考えられます。 |
マーケティング効果の低下 | コンバージョン直前での離脱が多いと、マーケティング施策の費用対効果が悪化します。費やしたリソースがコンバージョンに結びつかないことで、リソース全体の効果が低下する恐れがあります。 |
離脱率の平均
離脱率は、サイトのパフォーマンスを評価するための重要な指標です。しかし、ページの種類によって適切な離脱率は異なります。そのため、一般的なページタイプごとの離脱率の目安を把握することが大切です。
以下に示す離脱率の目安は、各ページタイプの特性を考慮したものです。
ページタイプ | 適切な離脱率の範囲 | 説明 |
記事ページ | 60-90% | 記事ページでは、ユーザーが情報を得た後にそのまま離脱することが多いため、離脱率が比較的高い傾向があります。検索エンジンから訪れるユーザーが多い場合、この範囲内であれば大きな問題はありません。 |
ホームページ | 40-60% | ホームページはサイト全体の入り口であり、他のページを閲覧することが一般的です。そのため、離脱率は中程度であることが望ましいです。 |
商品ページ | 40-60% | 商品ページでは、訪問したユーザーが購入することが重要です。したがって、離脱率は中程度に抑える必要があります。 |
カテゴリーページ | 20-40% | カテゴリーページは、サイト内の他のコンテンツへのナビゲーションとして機能します。ユーザーがさらに多くのコンテンツを閲覧するように、離脱率は低く抑えましょう。 |
参考:What is a Good Exit Rate for a Website?
離脱率が高い場合の改善方法
離脱率が高いということは、ユーザーがそのページで目的のアクションを完了せずにサイトを離れていることを示しています。そのため、離脱率が高いページを改善することは、ユーザー体験の向上とコンバージョン率の改善に直結します。
以下の方法で、離脱率の改善を図りましょう。
入力フォームを見直す
入力フォームは、ユーザーにとって離脱のきっかけになります。以下の方法でフォームを最適化し、離脱率の改善が可能です。
・フォームの入力項目を最小限にする
・自動入力機能を追加する
・フォームのデザインをシンプルかつ直感的にする
・エラーメッセージをわかりやすく表示する
コンテンツを見直す
コンテンツがユーザーのニーズに合っていない場合、ユーザーはページを離れてしまいます。コンテンツの見直しを行い、ユーザーにとって価値のある情報を提供することで、離脱率を改善できます。
・ターゲットのニーズにパーソナライズされた内容を提供する
・リライトを行い、情報の更新を行う
・画像や動画を使用する
コンテンツの見直しによる離脱率改善については、この後の章で具体的な成功事例を取り上げています。
デザインやUIを見直す
ユーザーインターフェース(UI)やデザインが使いにくいと、ユーザーがサイトを離れる可能性が高まります。以下のようなデザインやUIの見直しを行い、ユーザーエクスペリエンスを向上させましょう。
・モバイルファーストのデザインにする
・内部リンクを最適化する
ページの表示速度を見直す
ページの表示速度が遅いと、ユーザーは待ち時間に耐えられずにサイトを離れてしまう可能性があります。以下の方法で表示速度を改善し、離脱率を下げることができます。
・画像や動画のファイルサイズ最適化
・キャッシュの活用
・不要なJavaScriptやCSSの削除
離脱率を改善した事例と方法
多くの企業が離脱率を改善するために、さまざまなアプローチを試みています。その中でも、チャットボットの導入が広く行われていますが、最近では「コンテンツコミュニケーション」が効果的な方法として注目されています。
以下は、チャットボットとコンテンツコミュニケーションの離脱率改善の効果を比較した表です。
上記の内容をまとめると、コンテンツコミュニケーションを活用することには、以下のメリットがあります。
・ユーザーの興味を引き出し、サイトでの滞在を自然に延長できる
・価値ある情報提供により、ユーザーの満足度と信頼度を向上させる
・パーソナライズされたコンテンツにより、ユーザーの関心を高める
・再訪問の動機を生み出し、長期的な顧客関係を構築できる
診断コンテンツ(ヨミトル)
コンテンツコミュニケーションが行える診断コンテンツを活用した成功事例として、診断クラウド「ヨミトル」を使用したアプローチがあります。
ヨミトルを活用したよーじやグループの事例「あなたにおすすめ!素肌の呼吸のととのえかた。」を紹介します。
よーじやグループは、ヨミトルの診断コンテンツを活用して離脱率の低減とコンバージョンの促進を実現しました。
離脱率の低減
ユーザーの肌の悩みに基づくパーソナライズされた商品提案を行うことで、迷わず購入へと遷移できるように促し、離脱率の低減につなげました。
離脱率の低減のために工夫したポイントは、以下の2点です。
1 設問を工夫
設問を軽く、さくっと答えられるようにデザインし、回答のハードルを下げた。親しみやすい内容にすることで、ユーザーがイメージしやすくなり、参加しやすくなった。
2 納得感のある診断結果
診断結果では、ユーザーの肌の状態やアドバイスを丁寧に説明することで、納得感を与えられるように工夫した。その結果、ユーザーは提案された商品に信頼を持ちやすくなり、購入意欲が高まった。
コンバージョンの促進
簡単に回答できる設問と納得感のある診断結果によりユーザーの興味を高め、ECサイトへの流入率を3倍に向上させました。
さらに、以下の点もコンバージョンの促進に寄与しました。
1 実店舗でのタブレット導入
実店舗にタブレットを導入し、商品を組み合わせた提案を行った。これにより、店舗での販売促進が強化され、診断で提案された商品がそのまま購入されるシーンも増加した。
2 販売促進効果
診断コンテンツを通じて、ユーザーは自分に合った商品を簡単に見つけることができ、購入意欲が高まった。診断結果を参考にして商品を選べるため、実際の購入につながりやすかった。
ヨミトルと各ツールの比較
ヨミトルで作成された診断は、ユーザーにとって親しみやすいだけでなく、離脱率の改善やコンバージョンの促進にもつながります。
代表的な離脱率改善ツールとヨミトルの特徴を比較したものが以下の表です。
上記の例のように、ヨミトルは、他のツールでは得られない情報をユーザーに提供できます。離脱率の改善だけでなく、コンバージョンの促進にも役立つツールです。
まとめ
今回の記事では、離脱率について説明し、直帰率との違いや、改善するための具体的な方法についても解説しました。
離脱率は、ユーザーがWebサイトを最後に訪れたページを離れる割合を示す重要な指標です。離脱率が高い場合は、ユーザー体験やコンバージョンに悪影響を及ぼす可能性があるため、改善が必要です。
改善にはコンテンツの質を高め、使いやすいデザインやUIを導入し、ページの表示速度を最適化することで、離脱率を低下させることができます。
さらに、診断コンテンツのヨミトルを活用することで、離脱率の改善だけでなく、コンバージョンの促進という効果も期待できます。ヨミトルに関する詳細は、以下のページで詳しくご説明しています。
想定される活用シーン
想定される診断タイプ
ライター:土光 宜行(どこう よしゆき)
BtoBマーケター
ヘルスケア業界にてBtoBマーケティングに10年以上従事。この他に、製品開発、営業、パイプライン管理の経験あり。マーケティングの川上から川下まで俯瞰して施策を立案し、実行できる点が強み。