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成長する香水市場、パーソナライズX香水で差別化マーケティングを
更新日:2024/10/25 公開日:2024/09/25
成長局面に入った日本の香水市場。海外プレステージブランドや国内メジャーブランドに対抗する戦略のひとつに、個人の匂いの趣向にあわせてオリジナルの香水を作成する「パーソナライズx香水」があります。
当記事では、マーケティング歴20年、さまざまな企業を支援してきた筆者が、診断コンテンツを活用したパーソナライズ戦略に関して解説します。
目次
日本の香水市場の課題
日本の香水市場は、西洋諸国と比較して市場規模が小さく「香水砂漠」とも称されてきました。その背景には、日本の文化や香りに対する価値観が大きく影響しているといわれています。
ここでは、日本の香水市場における課題を紹介します。
強い香りを好まない
日本では、「香害」という言葉が使われるほど、強い香りを好まない傾向があります。
公共の場や職場、飲食店での強い香りはマナー違反とされることも多く、香水の利用を禁止している学校や職場も少なくありません。また、飲食店によっては、香水の利用を禁止している店舗もあります。
香水は非日常品
日本では香水は、外出やおしゃれをするときに用いられることが多く、香水は非日常品でありファッションアイテムとして認識されています。
一方、フランスでは、香水はマナーの一環とされ、子供の頃から日常的に使用されています。香水は、単なるファッションアイテムにとどまらず、日常生活に溶け込んだ文化の一部となっています。
日本の香水市場
日本でも「香道」のように香りを楽しむ文化は古来よりありましたが、いまの「香水」は、明治以降に海外からもたらされ主に社交界で用いられてきました。
その後、戦後の西洋化にともないファッションとして香水が普及。国内メーカーも参入し市場が形成されました。現在の日本国内の市場は大きく以下に分類されます。
海外プレステージブランド
「Chanel」や「Dior」「Bulgar」「Louis Vuitton」をはじめとした海外のプレステージブランドが提供する高価格帯の輸入香水です。
国内メジャーブランド
資生堂や花王などの国内化粧品会社が提供する香水です。百貨店などで販売する高価格帯の商品からドラッグストアなどで販売する手に取りやすい価格帯の商品まで、さまざまな香水が提供されています。
ニッチフレグランスブランド
香水専門店や著名調香師が手掛けるオリジナル香水や、セレクトショップ、コスメブランド、アパレルブランドなどが、自社のブランドイメージにあわせて独自に提供している小規模生産のオリジナル香水です。
パーソナライズ香水(オーダーメイド香水)
個人の趣向をヒアリングして調合されるオーダーメイドの香水です。アレルギーや敏感肌への対応にも対応可能で、個性を表現できる香水として注目を集めています。
変わる日本の香水市場
長らく「香水砂漠」と称されてきた日本の香水市場に、近年大きな変化が訪れています。
富士経済グループの調査によると、2023年の国内香水市場は前年比12.6%増の500億円規模に達し、2024年も9.4%増の547億円と、その成長が期待されています。特に注目すべきは、1万円を超える高級フレグランスの伸長で、毎年10%以上の高い伸び率を示しています。
参考:富士経済グループ『スキンケア、フレグランスの国内化粧品市場を調査』
なぜ今、日本の香水市場が活性化しているのでしょうか?
その要因をひもときます。
Z世代を中心にSNSで流行
SNSを活用して自己表現があたりまえのZ世代。香水はファッションやメイクと同様に、個性を際立たせる重要なアイテムとして認識されています。
香水は、ボトル、パッケージが華やかで種類も多く個性を表現しやすい「映える素材」としてSNSを起点に多くの情報が配信されています。
「推し香水」を求めて、香りを自分で選ぶ時代に
従来の香水のマーケティングは、海外プレステージブランドのマス広告や、宣伝用の店頭ポップを活用した売り場作りが主体でした。しかし、近年ではその風景が大きく変わりつつあります。
最新の商業施設では、たくさんのフラスコに入ったテスターを陳列し、来店客が試しながら好みの匂いを選べる方式の店舗が増えてきています。
いままでのブランド主導の既製品の香ではなく、自分の好みに合わせた「推し」の香を求めるパーソナライズ香水が注目されています。
パーソナライズ香水のメリット
プレステージブランドや国内メジャーがひしめく中で、香水ブランドは差別化が求められています。
好みの匂いを求める「推し香水」のニーズが高まる中で、既製品にはできない個人に合わせた香水が提供できるパーソナライズ香水は、ブランドの特徴を際立たせる有効な手段です。
ここでは、パーソナライズ香水を提供するメリットを紹介します。
ブランドの強化
既製品ではない自分だけの香水をつくれることは、他メーカーとの差別化になります。ユーザーに寄り添うメーカーとしてのマーケティング効果も期待でき、ブランドの強化につながります。
ロイヤルカスタマーを育てる
個人の趣向に寄り添った香水を提供することで顧客とのつながりが深まります。これにより長期的な顧客との関係を築き、定期的な購入を生み出すことが可能です。
ニッチニーズへの対応
市販の香水では満たせない「あと少しこうだったらいいのに」という細かい要望に応えられます。また、アレルギーや敏感肌への対応も可能で、特定のニーズを持つ顧客にも満足してもらえます。
【事例あり】香水のマーケティングに診断コンテンツは最適
パーソナライズ香水をオーダーする際、匂いの好みを言葉で説明するのは難しいものです。しかし、診断コンテンツを活用することで、ユーザーに最適な香水を提供できる仕組みを作れます。
問診に答えるだけで好みの香水を提供できる
Web上で問診に答えて好みの匂いを見つける診断コンテンツは、ユーザーにもメーカーにも多くのメリットがあります。ユーザーは簡単に自分に合った香水を見つけることができ、メーカーは顧客満足度を高められます。
例えば、株式会社フィッツコーポレーションでは、診断コンテンツを活用して香水の売上拡大につなげています。
▼株式会社フィッツコーポレーション様「ミニモアパフューム診断」
▼設問を通じてパーソナライズな香水を提供
診断をフックに自社公式LINEアカウントの友だち登録を促し、登録率10%以上を達成しました。
▼事例詳細はこちら
https://shindancloud.com/createlist/minimoreperfume_shindan/
エンタメ要素でエンゲージメントを高める
デザインやイラストを活用することで、楽しめるコンテンツとして提供できる診断コンテンツは、ユーザーのブランドへのロイヤリティを高める効果があります。この体験を通じて、ユーザーはブランドに対する愛着をより深めます。
株式会社フィッツコーポレーションの事例では「自分に似合う洋服と香りがみつかる!」をテーマに、イラストの活用とオススメコーデも含めたコロンの紹介を行うコンテンツを作成。Tiktokの配信を活用しインプレッション数400万超という成功を収めました。
▼事例詳細はこちら
https://shindancloud.com/createlist/fashion_scent
ユーザー情報の把握
診断コンテンツを通じて、ユーザーの嗜好に関する詳細なデータを収集できます。このデータは、マーケティングや製品開発に活用可能で、よりユーザーに寄り添った商品やサービスを提供するための貴重な情報となります。
▼株式会社メルカリ「診断クラウド「ヨミトル」を実際に使ってみた」
レポート画面で、アクセスやシェア状況も確認できるので、データを一括管理して、マーケティング活動に活用することができます。
診断コンテンツの導入の注意点
パーソナライズ香水の提供に有効な診断コンテンツですが、導入時にいくつかの注意点があります。これらのポイントを押さえることで効果的かつ効率的な導入が可能となります。
システム開発のコスト
システムをゼロから構築するには、数百万単位のコストが発生します。これは、要件定義、設計、開発、テスト、そしてサービス開始までの全てのプロセスを含むためです。さらに、これらのプロセスには数ヶ月の時間がかかるのが一般的です。
しかし、すでに出来上がっているSaaS(Software as a Service)を活用すれば、これらのコストを大幅に抑えられます。SaaSを利用すれば、初期投資を最小限に抑え、迅速にサービス開始が可能です。さらに、SaaSは通常、定期的なアップデートやサポートが含まれているため、長期的な運用コストも抑えられます。
例えば、当社が提供する診断クラウド「ヨミトル」を利用した場合、従来200~500万円の制作費用がかかるところ、初期費用20万円、月額費用8万円で運用可能です。
(年間利用・公開診断コンテンツ数:3の場合の料金)
▼株式会社メルカリ「診断クラウド「ヨミトル」を実際に使ってみた」
診断クラウド「ヨミトル」を使うまでの診断コンテンツを制作するときの費用は、300万円ほどかかっていたのですが、この診断クラウド「ヨミトル」は、初期費用20万円・年間利用の場合は、月額費用8万円でコンテンツを作成でき、コストが削減できました。
コンテンツ制作のノウハウ
診断コンテンツには、ユーザーを楽しませるための工夫が必要です。単に質問に答えるだけではなく、インタラクティブ(双方向)で魅力的な体験の提供が求められます。これには、デザインやイラストなどの視覚的な要素も重要です。
ユーザーが診断コンテンツを通じて楽しい体験ができれば、ブランドに良いイメージを持ってもらえます。診断コンテンツ向けの企画制作ノウハウを持った制作会社に依頼すれば、企画の成功率が高まるでしょう。
関連記事:プロ直伝!診断コンテンツの作り方。ロジックや作成手順を事例つきで解説
まとめ
競争の激しい香水市場で差別化を図るためには、個々のユーザーの匂いの趣向に応えるパーソナライズ香水が効果的です。
パーソナライズ香水は、個々の好みやライフスタイルに合わせた香りを提供することで、顧客満足度を高め、ブランドへのロイヤリティを高めます。しかし、匂いの好みを具体的に言語化することは容易ではありません。多くの人が、自分の好きな香りを正確に表現するのに苦労します。
そこで、問診に答えるだけで好みの匂いが見つけられる診断コンテンツが有効です。ユーザーは、診断コンテンツを通じて楽しみながら「推し香水」を発見できます。
診断クラウドの「ヨミトル」を活用すれば、コスパよくスピーディーに完成度の高い診断コンテンツを提供できます。当記事にてご紹介したフィッツコーポレーションの香水診断も、ヨミトルで制作されたものであり、成功事例の知見が蓄積されています。診断コンテンツ導入をご検討の際は、こちらより、当社ピクルスにご相談ください。
想定される活用シーン
想定される診断タイプ
ライター:J.F(ジェイエフ)
ライター
大手企業・ベンチャー企業にて、新規事業のPMを歴任。圧倒的な実践経験で上流戦略から現場までフルスタックで事業の成長にコミットするグロースハッカー。