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【マーケのプロが解説】直帰率とは? 離脱率との違いや目安、CV向上に直結する改善方法を紹介
更新日:2025/01/09 公開日:2024/12/16

直帰率とは、ユーザーがWebサイトにアクセスし、そのページだけ閲覧して離脱してしまった割合です。
当記事では、マーケティング歴20年超、さまざまな企業の支援をしてきた筆者が「直帰率」に関して、SEOやCVへの影響や、目安となる平均値のデータ、GA4での計測方法、改善すべきページの選定までCV向上につながる改善方法を網羅し解説します。
※当記事は、直帰率改善に有効な診断作成ツール「ヨミトル」を提供するピクルスが監修しています。
目次
直帰率とは(一般的な定義とGA4での定義)
直帰率とは、Webサイトを訪れたユーザーが、最初にアクセスしたページだけを閲覧してそのまま離脱した割合を指します。
例えば、来訪した10人のユーザーのうち、1ページだけみて離脱した人が4人の場合、直帰率は40%となります。
ただし、現在Webサイトの分析ツールとして普及しているGA4(Google Analytics4)では、この直帰率の定義が異なるため注意しましょう。
GA4の直帰率は、「エンゲージメントのなかったセッションの割合」です。
GA4のエンゲージメントとは、以下の状態を指します。
1. セッション(Webサイトに入ってから出るまでの一連のアクセス行動)が10秒以上継続している状態
2.コンバージョンイベント(Webサイトの目標として設定した成果につながる行動)が発生した状態
3.2回以上のページビュー(PCやスマートフォンでWebサイトの1ページを閲覧すること)やスクリーンビュー(主にスマートフォンアプリでの画面表示)が発生した状態
例えば、あるページに来訪して40秒滞在し離脱した場合、一般的な定義では、直帰と判定されますが、GA4の場合は10秒以上滞在しているため直帰とは判定されません。
直帰率の計算法
一般的な直帰率の計算方法は、以下の計算式で表されます。
直帰率=直帰セッション数 ÷ 全セッション数 × 100
GA4における直帰率は以下の計算式で表されます。
直帰率=100%-エンゲージメント率
※エンゲージメント率=エンゲージメントのあったセッション÷ 全セッション数 × 100
直帰率と離脱率の違い
直帰率と混同されやすい言葉に「離脱率」があります。ここでは、一般的な直帰率の定義をベースに意味の違いを解説します。
離脱率とは、特定のページで離脱(※)が発生した率を指し、計算式は次のようになります。
離脱率=離脱数 ÷ PV数
直帰率が1ページだけ閲覧し離脱したユーザーの率をあらわすのに対して、離脱率では、1ページだけ閲覧し離脱したケースに加えて、複数ページを閲覧したのちに、そのページで離脱したケースも含まれます。
離脱率の高いページを発見し改善すれば、サイト内の回遊率を上げられます。
※離脱とは
ここで用いられる「離脱」の定義とは、検索エンジンや広告、メルマガなどをクリックしてサイトに来訪した後にセッションが切れる状態を指します。具体的には、以下の状態が離脱にあたります。
① 別ドメインのページへ遷移する
・リンクをクリックする
・現在のページからURLを直接入力して遷移する
・ブラウザのバック操作をする
② ページを開いたままの状態で時間が経過する( 一般的には30分)
③ページを開いたままたの状態で 午前0時をすぎ翌日になる
④ ブラウザを閉じる

GA4での直帰率の計測方法
GA4での直帰率の計測は「探索」機能を用いると便利です。
1.「変数」タブにて、ディメンションの設定
「ページロケーション」、「ページタイトル」をインポートして設定する。
2.「変数」タブにて、指標の設定
「直帰率」をインポートして設定する。
3.上記を「設定」タブにドロップ
「ページロケーション」、「ページタイトル」、「直帰率」を、設定タブの「行」や「値」にドロップ。
4.他の指標もあわせて見る
以上で直帰率を計測できますが、直帰率だけでなく、「ユーザー数」「平均エンゲージメント時間」「エンゲージメント率」「離脱数」などの指標を加えてページのパフォーマンスを総合的に評価することで、より効果的なレポーティングが可能になります。
直帰率の重要性
直帰率は、サイトのパフォーマンスを評価する上で非常に重要な指標です。特に、コンバージョン率(CV)や回遊率に密接に関連しており、結果として収益にも影響を与えます。
直帰率は低い方がいい?
サイトの種別や目的によっては、直帰率が高くても問題にならない場合もあります。
例えば、天気予報や辞書など情報提供を目的とした場合、1ページでユーザーの欲しい情報が網羅されているページならば、直帰率が高くても問題はありません。この場合、ユーザーが必要な情報にたどり着くために複数のページを行き来しなければならない方が、むしろUX(ユーザー体験)が悪いと言えるでしょう。
一方、該当のページから別のページやコンバージョンコンテンツ等に遷移させたいといった場合は、直帰率が低いと問題です。この場合は直帰率の改善施策を行うことで、コンバージョン率(CVR)等の向上に繋げられます。直帰率の改善方法については、後ほど詳しく説明していきます。
直帰率と滞在時間の関係
直帰率は滞在時間(平均エンゲージメント時間)とあわせて評価します。例えば、情報提供を目的としたサイトの場合、直帰率が高くても滞在時間が長い場合は、ユーザーはそのページで情報を熟読して満足して離脱したことが予測されます。
直帰率とSEOの関係
SEO(検索エンジン最適化)とは、Webサイトが検索エンジンの検索結果でより上位に表示されるように最適化する施策のことです。
直帰率そのものは、直接的にSEOに影響を与える要素ではないと言われています。しかし、直帰率が高い場合、ページの品質やUXに何らかの問題がある可能性が考えられます。これを放置すると、結果的にSEOに悪影響を及ぼします。
直帰率と回遊率の関係
回遊率とは、訪問したユーザー1人あたりの閲覧したページ数を指します。直帰したユーザーは最初の1ページだけを閲覧して離脱したユーザーのため、直帰率が高い場合、回遊率は低くなる傾向にあります。
そのため、特に広告収益を目的としたサイトの場合、広告の露出機会が減少し、広告収益に悪影響を及ぼします。
直帰率とCVの関係
商品の販売や資料請求などCV(コンバージョン)を目的としたサイトで直帰率が高い場合は、商品紹介ページに来訪したものの「購入完了ページ」に到達せずに離脱していることが想定され、CV数に影響を与えます。
直帰率の平均・目安
直帰率は、サイトの種類や業界、流入経路により変化します。ここでは、マーケティング会社CXLの調査データを元に直帰率の目安を紹介します。
サイト種類別の直帰率
出典:https://cxl.com/guides/bounce-rate/benchmarks/
サイト種類別では、CVを目的としたECサイト、BtoBサイトは、直帰率が低く、辞書やブログなどの情報提供を目的としたサイトは直帰率が高い傾向にあります。
業界別の直帰率
出典:https://cxl.com/guides/bounce-rate/benchmarks/
業界別では、飲食系のサイトが直帰率が高い傾向にあります。また、1ページの情報で完結せずに、複数の商材を探すようなショッピングサイトや、不動産サイトは直帰率が低い傾向にあります。
業界別の直帰率
出典:https://cxl.com/guides/bounce-rate/benchmarks/
流入経路別では、誤タップなどが起こりやすいディスプレイ広告の直帰率が高い傾向にあります。一方で、情報を読んだ上でサイトへ遷移するE-MAIL(メルマガ含む)は、直帰率は低い傾向にあります。
直帰率が高い理由5選
直帰率が高くなっている際に考えられる理由は次の通りです。
・期待する情報がなかった
・表示スピードが遅い
・UI、UXが悪い
・関連情報への動線が不足している
・CTAが分かりにくい
それぞれの理由について解説します。
1.期待する情報がなかった
検索やリンクを辿ってページに来訪したが、期待した情報がなかった場合は、ユーザーは短時間滞在し直帰してしまいます。
2.表示スピードが遅い
ページの表示速度が遅いとユーザーは待つことにストレスを感じ、読み込み途中に離脱してしまい直帰率があがります。
3.UI、UXが悪い
来訪したページが見づらかったり、使いづらいと感じた場合、ユーザーは離脱してしまいます。
4.関連情報への動線が不足している
ユーザーがサイトに訪れた際に、次に閲覧すべき有用な情報が簡単に見つけられないと、他のページに遷移することなく直帰率が高まります。
5.CTAがわかりにくい
サイトのコンバージョンを促すために重要なCTA(Call to Action)がわかりにくい場合、ユーザーは次に何をすべきかがわからず、ページを離れてしまいます。
直帰率を改善すべきページとは
全てのページの直帰率を改善できれば理想ですが、大量のページを管理している場合、どのページから改善を始めるべきか迷うこともあります。
改善すべきページの指標は、ユーザー数の多いページが挙げられます。母数が大きいことで改善したときの効果が高いためです。
ユーザー数の多いページを念頭において、以下の指標を参照にしながら優先順位をきめていきましょう。
ユーザー数が多くCVRが高いページ
コンバージョン率(CVR)が高いページの直帰率を改善すれば、CV数の増加が期待できます。
ユーザー数が多く平均エンゲージメント時間が短い
滞在時間(平均エンゲージメント時間)が短いページは、ユーザーがそのページのコンテンツに興味を持たず、すぐに離脱してしまっている状態です。ユーザー数が多いページの場合、特に多くの機会損失が発生しているおそれがあるため、優先的に改善をこころみましょう。
直帰率の改善方法(LPO)
直帰率はLPO(ランディングページ最適化)を行うことで改善できます。ここではLPOの方法を解説します。
ユーザーの目的にあった情報を充実させる
ユーザーの来訪目的にあったコンテンツを充実させれば、直帰率の向上が期待できます。
目的にあっていない例
・ユーザーの検索意図とページの内容があっていない
・商品購入を希望しているのに、商品のスペックや料金が記載されていない
・検索広告のコピーとページの内容があっていない
・ディスプレイ広告内容とページの内容があっていない
表示スピードを改善する
表示スピードを早めることでユーザーの離脱を減らせます。
下記のツールを用いてページの診断と改善をしましょう。
スピード診断ツール:PageSpeed Indight
UI、UXを改善する
デザインやサイトの使い勝手を改善すれば、離脱を減らせます。
PCやスマホなどのデバイスごとでの表示や使いやすさの工夫もチェックしましょう。
関連情報への動線が不足している
関連情報への動線が不足している場合、ページ遷移を促す有用な関連情報へのリンクを設置すれば、直帰率を改善できます。
【有用な関連情報へのリンクの例】
例1.テーマにあわせたリンク
内容:閲覧ページのテーマと関連した、より詳しい情報を提供するページへのリンク
例:ある企業の株価を閲覧している場合、その企業のニュースやIR情報へのリンク
例2.ユーザーの興味関心にあわせたリンク
内容:来訪したユーザーの趣向にあわせたページへのリンク
例:筋トレの方法を見ているユーザーにプロテインの紹介ページへのリンク
また、ユーザーの情報をAIが分析し、興味のあるページを選んで表示するレコメンドエンジンを導入する方法も効果的です。
CTAの表示を改善する
CTAのデザインや表示方法、設置場所を工夫しクリックしやすい状態をつくれば、直帰率の改善とCV数増加につながります。
コンテンツで直帰率を改善する
既存ページの改善以外にも、直帰率の低いコンテンツを作成する方法も効果的です。
その一例として、「診断コンテンツ」の導入が挙げられます。
診断コンテンツは、ユーザーが質問に答えていくことで、診断結果を表示する参加型のコンテンツです。以下の理由で直帰率の改善に寄与します。
エンゲージメントの向上
自分の気になるトピックについて理解が深まる診断があれば、ユーザーがサイトに留まりやすくなります。
例えばスキンケア商品のページであれば、「あなたの肌悩みを分析して最適なスキンケアがわかる診断」等によってエンゲージメントが向上します。
次の行動を促す仕掛け
「診断結果を知りたい」というユーザーのニーズが次の行動(ページ遷移)を促します。
診断コンテンツの効果と事例
診断コンテンツの導入は、ユーザーの態度変容をうながし直帰率を改善し、目的のページへの誘導をスムーズに行います。
良好なUXでロイヤリティを高める
エンタメ性のある参加型コンテンツを提供することで、ユーザーの興味を引き、滞在時間や回遊率の向上が期待できます。同時に、良好なUXを実現することで、ユーザーにポジティブな体験を提供し、ブランドロイヤリティを高めることができます。
自然な形で目的のページへ誘導できる
診断コンテンツは、ユーザーの「結果を知りたい」というニーズに応える仕組みです。質問に答えながら進むプロセスを通じて、購入ページなど目的のページへ自然に誘導できます。
これにより、ユーザー体験を損なわず、効果的にコンバージョンへつなげることが可能です。
京都発の肌ケアブランド「よーじやグループ」の事例では、診断コンテンツを導入することでECページへの誘導を3倍に増やすことに成功しました。
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まとめ
直帰率とは、ユーザーがWebサイトにアクセスし、そのページだけを閲覧して離脱した割合を指します。この直帰率を改善することで、回遊率やCV数の増加が期待できます。
直帰率の改善は、既存ページへの対策だけでなく、新しいコンテンツを投入する方法も効果的です。
中でも「診断コンテンツ」は、直帰率を低く抑えるだけでなく、サイト滞在時間を延ばし、ブランドロイヤリティの向上にも寄与します。
これにより、ユーザー体験の質を高めながら、Webサイト全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。
診断コンテンツの導入をご検討の際は、こちらにお気軽にご相談ください。

想定される活用シーン
想定される診断タイプ

ライター:J.F(ジェイエフ)
ライター
大手企業・ベンチャー企業にて、新規事業のPMを歴任。圧倒的な実践経験で上流戦略から現場までフルスタックで事業の成長にコミットするグロースハッカー。