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BtoBマーケティングをしている会社において、必要なWebサイト設計。
BtoBマーケターであれば、自社のWebサイトを活用してWebマーケティングに取り組んでいる方がほとんどではないでしょうか。ピクルスもサービス提供会社として「ヨミトル」や「キャンつく」でBtoBマーケティングを行っており、Webサイトを活用しています。ここでは自社で培ったノウハウをお伝えします。
更新日:2024/11/12 公開日:2021/06/28
BtoBマーケターであれば、自社のWebサイトを活用してWebマーケティングに取り組んでいる方がほとんどではないでしょうか。
ピクルスはBtoCマーケティング支援をメインに行っていますが、お客様は個人ではなく企業のためBtoBマーケティングとしてWebサイトを活用しています。
具体的には、今読んでいただいているオウンドメディアを運営してSEO対策したり、サービスページを改善したり、新規コンテンツを追加してみたりと、様々な取り組みをしています。
同じようにBtoBでWebマーケティングに取り組んでいるマーケターの方とお話をすると、
「SEO対策して流入は増えたが、コンバージョンに繋がらない」
「多額のリスティング広告を出稿しているのに成果があがらない」
「Web経由でリードは獲得できているが、見込みの薄い顧客が多い」
などのお悩みをよく聞きます。
その原因として、BtoBにおけるWebマーケティングの基本的なポイントが分かっておらず、他社をなんとなく真似したWebサイトでリード獲得しようとしていることが多いと感じます。
そこで今回はWebマーケティング施策の全体像を振り返った上で、BtoBサイトの基本的なポイントをご紹介します。
目次
BtoBにおけるWebマーケティングの全体像
今でこそ、BtoBにおけるWebマーケティングの重要性は認知されてますが、まだまだ「テレアポ重視」という会社が多いのも事実です。
BtoBマーケターの中にも、なかなかWeb施策の成果が出ない期間が続き、Webマーケティング自体の必要性を疑問視している方もいるかもしれません。
まずはBtoBにおけるWebマーケティングの重要性を見ていきましょう。
BtoBでWebマーケティングは有効なのか?
結論からいえば、BtoBでもWebマーケティングは有効です。
ネットが普及する以前は、商品・サービスに関する情報は営業から直接話を聞くしかありませんでしたが、今ではネット検索によりあらゆる情報を知ることができます。
おそらくマーケター自身も何かツールを導入しようなれば、ネット検索で情報収集しているはずです。
またBtoBサービスの購入にあたり、問い合わせ前に意思決定プロセスの約57%を済ませているというデータもあります。
ここまでの情報だけでもWebマーケティングの重要性をご理解いただけるかと思いますが、さらに2020年3月以降はご存じの通り、外部環境が大きく変化しました。
非対面・非接触が日常的に求められ、テレワークを推進する企業が急増しました。
その結果、営業担当者と直接会って話すことが難しくなり、購買担当者もWebを使って情報収集する必要性が増しています。
このようにBtoBにおいても有効なWebマーケティングですが、具体的にどのような施策を行えばよいのでしょうか。
BtoBにおけるWebマーケティング施策の全体像
ピクルスの場合は、Webマーケティング施策を購買行動に合わせて、プロモーションプレイスとコンバージョンプレイスという大きく2つに分類しています。
プロモーションプレイスの目的はお客様から認知を獲得し、興味関心を喚起することです。
具体的にはSEO対策やリスティング広告、SNS広告などにより、サイトへのアクセス数を増やしていきます。
しかし、どんなにアクセス数が増えても、最終的に問い合わせをしてくれなければ受注・成約には繋がりません。
問い合わせを獲得するためにサービスの理解・検討を促すのがコンバージョンプレイスであり、その具体的な役割を担っているのが「BtoBサイト」です。
つまり、Webマーケティングで成果を出すためには、2つの施策が両輪で機能していなければなりません。
多くの場合、プロモーションプレイスにあたるリスティング広告などは、キーワードや広告文を最適化するためにPDCAを回しているはずです。
一方、コンバージョンプレイスであるBtoBサイトは作って終わりになっており、本来の目的である「検討先の第一候補に入る形でコンバージョンさせる」サイトになっていないことがほとんでです。
自社のBtoBサイトが上記に当てはまる場合は、BtoBサイトを新規構築もしくはリニューアルする必要があります。
BtoBサイトの問い合わせ率をアップする「コンテンツ設計」
ここからは成果が出るBtoBサイトに必要な「コンテンツ設計」のポイントをお伝えしていきます。
まずはBtoCとの違いを整理しておきましょう。
BtoCとBtoBの違い
どちらも、プロモーションプレイスとコンバージョンプレイスの2種類の施策があるのは変わりません。
フロー図における違いとしては、BtoBでは問い合わせをしてからセールスして成約に繋げることが多い一方、BtoCでは購入までをWeb上で行うことが多いです(実店舗に来店を促すこともあります)。
しかし最も大きな違いは、「購入までの意思決定フロー」です。
BtoCでは基本的に一人で購入の意思決定をするので、「ついで買い」や「衝動買い」といったことが起こりえます。
BtoBの場合、基本的には複数人で意思決定が行われ、さらに価格が高いことも多く、購入の判断はより慎重かつ論理的に行われます。
そのためBtoBサイトの問い合わせ率をアップするためには、ユーザーが求める情報を過不足なく揃えておく必要があり、一つでも足りない情報があれば問い合わせすることなく他社のサイトへと流れてしまうかもれません。
では次にどのようなコンテンツが必要かを見ていきましょう。
BtoBサイトに必要なコンテンツとは
BtoBサイトから見込み客を獲得するためには以下のコンテンツを用意する必要があります。
必要なコンテンツは大きく2種類に分かれます。
・サービス理解の為のコンテンツ
・具体的な導入の為のコンテンツ
先にお伝えしたとおりBtoBの意思決定は複数人で行われています。
調査段階での担当は、最終決定者へ複数の候補を提案する為に、通常3つ程度まで候補を絞ります。
先ずはその候補に入らないといけないことから「誰でもサービスが理解できるコンテンツ」を用意する必要があります。
そして「具体的な導入の為のコンテンツ」で見込める成果や不明点もクリアにしておく必要もあります。
ここでは調査担当の「候補選定」の話としてしましたが、最終裁定者も部下の話の裏付けとして必ずWebサイトを確認します。
その際にクリアにされない不明点があった場合は、候補から省かれると考えてください。
それでは「サービス理解のためのコンテンツ」を1つずつ確認していきましょう。
・サービスのメリット(成果)+論理(科学)的な証明
サービスのメリットだけで、論理的な証明まで揃っているWebサイトは少ないです。
特にBtoBの意思決定は、論理的な判断で行われるため、アンケートや調査結果にもとづいた証明などがあると他社との差別化につながります。
またメリットもサービス提供者側の目線ではなく、サービスを使用するユーザー側の視点でのメリット(ベネフィット)を記載すると、グッと伝わる内容になります。
・機能説明
そのサービスを導入することで何ができるのか、具体的に説明をしましょう。
注意点としては、サービスに詳しい人が説明文を書くと、前提知識を知っている人しか理解できない内容になることです。
作成後には、理解が浅い人でのユーザーテストやレビューをしてみてください。
・商材のスペック
商材の性能面に関する情報もしっかりと載せておきましょう。
ユーザーは他社サービスとの比較検討を行っているので、差別化ポイントが分かるように比較表のような形でまとめるのもよいです。
・利用シーン
実際にどのような場面で使えるサービスなのか記載します。ユーザーが自分事化できるよう、具体的なシーンを記載しましょう。後述する「顧客インタビュー」と絡めるのもおすすめです。
・費用
具体的な金額をあえて出していないサイトもありますが、目安となる金額は提示しておくとよいでしょう。比較検討している他社サイトでは費用が記載されているのに、自社サイトだけ記載されていない場合、「きっと高いんだろう…」と検討の候補から外れてしまうリスクがあるためです。
・導入フロー
これは意外と抜けていることが多いかもしれません。契約~導入・サービス利用開始までの手順や期間は、検討においても重要視されるため、必ず記載しておきましょう。
続いては「具体的な購入のためのコンテンツ」です。
・導入実績
この情報はサービスに対する信頼・安心感の醸成に大きく貢献します。導入企業数や利用ユーザー数、ユーザー満足率など具体的な数値で示すのがポイントです。もし数値を出すのが難しい場合は、有名企業のロゴを掲載するなども効果的です。
・顧客インタビュー
導入検討にあたり、他社事例は非常によく見られています。特に同業種の顧客インタビュー記事があると、具体的な成果をイメージできるためインパクトは絶大です。Webマーケティングに力を入れている企業が、キラーコンテンツと位置づけて注力していることも多いため、他社に負けないためにも定期的にインタビュー記事をアップしましょう。
・診断・シミュレーター
複数のサービスがある場合には、自社に最適なサービスをサイト内で診断できると購買意欲を高めることができます。また費用シミュレーターなどがあると、お客様自身で具体的な費用を把握できるので、検討を一歩前に進めることが可能です。
・セミナー情報
商品説明会や商品につながるお役立ちセミナーを開催している場合は、ぜひ導線を作ってみてください。リード獲得できるのはもちろん、サービスに関する理解をさらに深めてもらうことができます。
・資料ダウンロード
重要なコンバージョンポイントになるため、サービス紹介資料はもちろん、お役立ち情報や調査結果をまとめたホワイトペーパーなどの用意があれば、ダウンロードページを必ず作成しましょう。
・FAQ
実際にお客様からよく出る質問を記載するのはもちろん、サービスの売りが伝わるような質問を加えることで、疑問解消だけでなく魅力を伝えることもできます。
以上がBtoBサイトにおいて見込み客を獲得するために必要なコンテンツです。
自社のサイトを振り返ってみて、足りないコンテンツはありましたか?
もし足りないコンテンツがあれば新規追加し、情報が不足しているコンテンツは内容をブラッシュアップすることで、問い合わせ率をアップさせましょう。
またコンテンツ設計とともに重視してほしいのが、導線設計です。良いコンテンツがあっても、ユーザーが求める情報にスムーズにたどり着くことができなければ、サイトから離脱してしまいます。
導線設計時の注意点は、「ユーザーは必ずしもこちらが意図した通りにページ遷移しない」ということです。ユーザーが自由に回遊できるゆとりを持たせつつ、求めるコンテンツに負荷なくたどり着く導線設計を心がけてください。
まとめ
今回の内容はいかがでしたでしょうか。
ご紹介したポイントを踏まえて、BtoBサイトの構築・ブラッシュアップを行い、Webマーケティングの成功に役立てていただければ嬉しいです。
しかし、BtoBサイトをゼロから構築したり、大幅リニューアルするのは非常に工数がかかります。リソースや知見が足りない場合は、無理に内製で行おうとせず、外注を検討するのもおすすめです。
ピクルスでもBtoBサイトの作成やリニューアルを承っているので、もしご興味あれば、お気軽にお問い合わせください。
想定される活用シーン
ライター:タナカ ミノル
Webマーケター・クリエイティブディレクター
ピクルス代表。Webマーケティング及びWebディレクションのプロフェッショナル。2000年からWeb広告に携わり、300以上のWeb施策の企画及び制作を担当する。著書に「Webディレクションの新・標準ルール」「コンバージョンアップの手法99」など。AdobeMAXなどセミナー登壇も多数。