診断コンテンツの作成方法から活用方法まで、診断のすべてがわかるメディア
ブランディングでのWebサイトは、3回利用される前提で設計しよう。
前回は、ブランディングのゴールは、ユーザーの中に第一想起(つまり指名買いされる存在になること)をさせることであり、その為にWebサイト(ブランディングサイト)がとても役に立つということ解説しました。ユーザーが商品に興味をもち、検討している状態の時に、適切なストーリー設計を行い情報伝達を行えば「思い出してもらえる存在になれる」というお話でした。
更新日:2024/11/06 公開日:2021/03/01
前回は、ブランディングのゴールは、ユーザーの中に第一想起(つまり指名買いされる存在になること)をさせることであり、その為にWebサイト(ブランディングサイト)がとても役に立つということ解説しました。
ユーザーが商品に興味をもち、検討している状態の時に、適切なストーリー設計を行い情報伝達を行えば「思い出してもらえる存在になれる」というお話でした。
今回はざっくり、ブランディングサイトを「絶対作ったほうが良い商品」と「作らなくてもいいかもしれない商品」についてお話します。
そして、ユーザーの購買行動のプロセス面からの視点でどのような設計が有効なのかもお話します。
マーケティング担当者の方は、上長への「お断り」材料にも、ブランディングサイト作成予算獲得の説得材料にも、是非この記事をお役立てください。
Webにあまり詳しくないマーケティング担当、経営者の方にも読みやすく、理解しやすい一般的な用語を出来るだけ使いながら、分かりやすい解説をしていきます。
目次
ブランディングサイトが必要な商品
現在は、自動車、家電のような高価なものから、日用品や化粧品のような安価なものまで、多種多様な商品(商材・サービス・製品など)にブランディングサイトが制作されています。
上手にブランディングサイトを活用すれば、市場のライバルとの価格競争に巻き込まれることなく、集客・販促、PRなどの企業活動を有利に進めることができます。
Web広告出稿時にも受け入れ先となるブランディングサイトの質や構造は極めて重要です。
とはいえ、ブランディングサイトを構築するにも、時間的も金銭的なコストが必要なので、「自分の扱ってる商品ではブランディングサイトが必要なのか?効果はあるのか?他の施策と比べて優先順位は高いのか?」という不安もありますよね。
結論から言うと、ブランディングサイトを作ることで、大きな成果を見込める「絶対に作った方が良い商品」は大きく3つの系統があります。
あなたの扱っている商品がどこに該当するか?ということを照らし合わせながら読み進めてみてください。
1)価格が高く競合が多い商品:必要
1つ目は、「価格が高く競合が多い」商品です。自動車や家電・パソコン、旅館やホテルなどがイメージしやすいでしょう。
一度お客さんの目線になって考えてみましょう。例えば、自分で20~30万円もするようなノートパソコンを買う場合をイメージしてみてください。
高い買い物なだけに、なるべく失敗を避けたいところですよね。他のユーザーのSNSやブログを参考にすることも多いかもしれませんが、事実に基づいた情報が期待できる公式のサイトも見に行くのではないでしょうか?
検索してみた結果、Webサイトそのものがなかったり、あっても商品の寸法や機能だけを申し訳程度に載せたサイトしかなければ、少し不安じゃありませんか?サポート体制だったり、どんな事が出来るのかの具体例が欲しくありませんか?
その商品を買ったら、自分にどんなメリットがあるのか?どんな課題を解決して、どんな素敵な未来を手にしているのか?その価値がイメージできなければ高額な商品は購入しませんよね。
価格が高いということは、お客様からすればそれだけ高い不安・リスクを伴う買い物であるということです。逆にそれだけしっかり「調べてくれる」という事でもあります。
そこで、情報伝達を適切なストーリー設計でしっかりと行うブランディングサイトを作ることで、期待感を高め、不安を小さくすることが可能です。そして、安心感が生まれると高いコンバージョン(成果)が期待出来るようになります。
2)価格が低いけど競合が多い商品:必要
2つ目は、「価格が低いけど競合が多い商品」です。 簡単に言うと、リピート買いが見込める日用品の類です。化粧品やシャプー・リンス、歯磨き粉、石鹸。これらには多くのブランディングサイトがあります。
競合が多いということは、お客様にとって「選択肢」(ライバル)が多いということです。他の商品ではなく自社の商品を買ってもらう為の「選ばれる理由」を作ることが必要不可欠です。
ブランディングサイトで適切なストーリー設計での情報伝達を行うことによって、「その商品ならでは」のブランド価値を伝えることができれば、市場における独自の立ち位置を築く事が可能です。最終的には継続的に指名買い(リピート購入)をしてもらうことが可能となります。
3)価格が高く競合が少ない商品:必要
3つ目は、「価格が高く競合が少ない」商品です。競合が少ないので、ブランディングサイトは不要と思われるかもしれません。
しかし、まだ競合が少ない早い段階で、ブランディングサイトを作り、顧客ロイヤルティを高めておくことで、大きなアドバンテージを作り、中長期的にブルーオーシャンを有利に戦うことができるようになります。
「先行者利益」「更なる成果の追求」が2つの重要ポイントです。
4)価格が低く競合が少ない:不要
以上の1~3までは、ブランディングサイトを作ることで、大きな成果が見込めるので優先的に作ることをオススメします。逆に「価格が低く競合が少ない商品」は、場合によってはブランディングサイトは不要です。
付加価値を高めた商品展開を行う際等に、マーケティング予算を温存しておいても良いかもしれません。
「3回利用される」ブランディングサイトが、勝てるブランディングサイト
ここまでは、ブランディングサイトが必要な商品と、優先順位が低い商品の違いについて解説してきました。続いて、ユーザー購買行動のプロセス面から見た際に「3回利用されるサイト作り」が何故重要なのかについて説明いたします。
誤解が発生しやすいポイントですが、ユーザーは商品の検討時のみブランディングサイトを利用するわけではありません。「即購買に結びつくサイト」が成果を産むというのは幻想です。
実は、ユーザーは3回ブランディングサイトを訪れ利用しています。それは、検討する時、利用する時、推薦する時です。
では、購買プロセスに沿って説明していきます。
1回目)理解・検討
まず、購買見込みのお客様は、SNSや友人のからの口コミ、広告等でブランドを認知します。
ブランドに興味を持ったお客様は、検索やSNSや広告のリンクをクリックし、ブランディングサイトにアクセスします。これが1回目の利用です。
この段階では、お客様に商品を適切に理解してもらい、購買へと興味を導くきっかけ作りが重要となります。
2回目)利用
購買を行ったお客様は、利用する場面で必要になる情報や、利用を始めてから生じた疑問点を解決するため、商品の機能や使い方、FAQなどに関する情報を参照目的に再びブランディングサイトを訪れます。これが2回目です。
3回目)推奨
お客様が商品を使い、満足した場合には、その商品を他者に推奨する可能性がグっと高まります。その際に、商品を紹介するために、再びブランディングサイトを訪れます。これが3回目です。
ピクルスでは、お客様が商品の検討・購入~利用~推奨までの3回利用することを想定したコミュニケーション設計を行っています。それによって、購入前のカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の向上、顧客ロイヤルティ(ブランドに対して感じる信頼や愛着)の向上を行います。
そして、商品の機能や使い方、FAQ等の購入後の満足度増加もブランディングサイトで行います。これにより、「リピート率」「顧客単価」の増加、そして「購入後の他者への推奨」などの向上も見込めるのです。
これからのブランディングサイト
最近では、商品ならではのブランド価値を伝え、市場における独自の立ち位置を築くというブランディングサイトの役割に加え、EC(E-コマース)サイトとしての機能を持たせ、Web上で販売できる仕組みを統合したものも多く見られるようになってきました。
先駆けとなるAppleでは15年前からブランディングサイトとECサイトの統合を行っています。
iMac、Macbook、ipad、iphone等の各ブランディングサイトでは、ユーザーに商品の魅力・価値を伝えるだけではなく、ヘッダーやページエンドに導線を設け、その流れのまま書品を購入できる流れが必ず作られています。
この流れは、他の大手企業も追随していますし、旅館やホテル、ハイブランド系の商品を扱うブランドでもよく見られるようになりました。例えば、下記の化粧品「IN FIORE」のブランドサイトでは、ヘッダーや、商品ごとのページにもカート機能や購入への導線があります。
このように、これからのブランディングサイトは、宣伝するだけの物ではなく、ECサイトと統合され購入コンバージョンも意識した形が主流になっていきます。
まとめ
・競合や価格帯によってブランディングサイトが必要な商品と不要な商品がある。
・検討する時、利用する時、推薦する時の計3回、ユーザーがサイトを利用することを想定したコミュニケーション設計が、ブランド効果を高める為に重要。
・これからはAppleが行っているようなEC機能を統合したサイトも導入も検討し、時代にあったブランディングサイトを作る事が大事。
さて、この様なブランディングサイトを作りたいと考えている方は、是非ピクルスにご相談ください。
長い年月で蓄積してきた経験・実績をもとに、適切なコミュニケーション設計、ストーリー設計を行い、貴ブランドの価値を向上させるお手伝いをいたします。
ECサイト機能を持ったブランディングサイトもお任せください。
想定される活用シーン
ライター:タナカ ミノル
Webマーケター・クリエイティブディレクター
ピクルス代表。Webマーケティング及びWebディレクションのプロフェッショナル。2000年からWeb広告に携わり、300以上のWeb施策の企画及び制作を担当する。著書に「Webディレクションの新・標準ルール」「コンバージョンアップの手法99」など。AdobeMAXなどセミナー登壇も多数。