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Webプロモーションのキホンのキ「9つの目的設定」
更新日:2023/03/28 公開日:2021/03/27
ピクルスでは「様々なWebプロモーションにトライをしているが、なかなか成果につながらない」というマーケターの方の悩みを聞くことが多くあります。
その理由はもしかしたら「ちゃんと目的を設定できていない」からかもしれません。
今回は、目的の重要性と9つの種別についてご紹介します。すぐに使える知見及び手法なので、お悩みのマーケターの方は是非参考にしてください。
目次
施策を立案する際に、目的が設定されてないことが多い?
プロモーションを立案する際に目的を設定しますか?
ピクルスの経験上、施策を実施しても成果につながらない場合、実は目的がぼんやりしていたり、大量に目標を設定してしまいどれも達成しづらい施策になっていることが多いと感じています。
意外とあるあるなのですが、目的を「販売促進」と設定しているのもその一例です。
販売促進はマーケティング施策を検討する際のフレームワーク4Pのプロモーションです。
ということは「販売促進の目的は販売促進」と言っているようなものですよね。
普段の生活におきかえるとわかりやすいです。
例えば「美味しいごはんを食べる」という目的は、大多数の人が常に求めている目的です。
ほとんどの人は「美味しいごはんを食べる」という目的を達成する為に、現状の自分を分析して「麺が食べたいな」とか「辛い系が良いな」とか「肉も食べたいな」など小さな目的を考えますよね。
階層化構造にすると以下になります。
・美味しいごはんを食べる
├・麺が食べたい
├・辛いのが食べたい
└・肉も食べたい
「美味しいごはんを食べる」といった目的だけだと何を具体的に食べたら良いか見えてこなかったのが、それを小さな目的に分割することで具体的に何を食べたらよいかが見えてきませんか?
上記であれば「担々麺」や「辛い系のボロネーゼ」とか、夏場であれば「冷麺」かもしれません。
これらを食べれば「美味しいごはんを食べる」という目的達成にかなり近づくことができます。
これと同じ形で「販売促進」というマーケターが常に求めている大きな目的のままだと、具体的にどんな施策が良いのかが見えてこないで、販売促進自体をもっと細かく分割した目的にする必要があるのです。
また、1つのマーケティング施策で「認知向上」「利用機会促進」「販路拡大」など複数の目的を、優先順位を付けずに設定する場合も同様です。
どれも同時に満たそうとすると結局どれも弱いコミットしかできない中途半端な施策となり、成果が上がらないのです。
そのようなことを避けるためにも、現状の課題から「目的」を明確にすることが重要になってきます。
細かな目的を設定することでより、精細な施策設計が可能になったり、KGIからKPIも設定しやすく成果が計測しやすくなるので、PDCAが回しやすくなったりもします。
また、細かい目的を一つずつクリアしていくことで、高い効果を上げるだけでなく、マーケティング費用の節約にもつながります。
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9つのWebプロモーションの目的

ピクルスではWebプロモーションの目的を9つに分類しています。
上記は、弊社が施策を相談される際に利用しているチャートです。
「課題⇢目的⇢施策」と、課題から施策の概要を決めるのに利用しています。
前段として、現状の課題を明確にする必要があります。
正確性を高める為に調査などを挟む場合もありますが、マーケターの方へのヒアリングで進めることが多いです。
それでは、ピクルスが定めている代表的な9つの目的を解説します。
1.認知拡大(接触頻度を高める)

ブランドや商品が「知られていない」という課題がある場合に必要なのが「認知拡大」です。つまり、ブランドや商品を知っている人を増やすことです。
購買行動において最初のステップは、商品やサービスを認知してもらうことです。
但しここでの認知は「見たことあるなー」「聞いたことあるなー」程度の認知です。
要はより多くのターゲットへの接触頻度を高める目的としての「認知拡大」になります。
■施策例
ターゲットへの接触頻度を高める施策になります。
・Web広告出稿(バナー広告、動画広告)
・プレゼント(SNS)キャンペーン
・インフルエンサーマーケティング
2.認知向上(ちゃんと覚えてもらう)

ブランドの名前を覚えてもらえていなかったり、特徴が知られていないという課題に必要なのが「認知向上」です。
販売を促進するためには、ブランドや商品にどんな特徴があるのかを理解してもらい記憶のレベルを上げることが重要です。
消費者にブランドを見たら思い出せるレベルから、名前や特徴を正確に捉えているというレベルにあげる事が「認知向上」という意味になります。
■施策例
認知拡大と同時に行われることが多いので、基本的には認知拡大と同じ施策になります。
既に商品に接触しているユーザーも居るので、検索からの施策も効果が高いでしょう。
・Web広告出稿(バナー広告、動画広告)
・プレゼント(SNS)キャンペーン
・インフルエンサーマーケティング
・リスティング
・ブランドサイト
・LP
3.価値向上(他社より良いと認めてもらう)

課題として、知られているけど価値および必要性が認識されてないという課題がある場合に必要なのが「価値向上」です。
これが高まらないと想起されないので、購買に繋がりません。
ブランドや商品を認知してもらったとしても、競合商品などと比べて価値を感じられなければ購入されません。
消費者が自社商品に対して、競合商品に比べて優位性を感じたり、消費者が利用したときに得られるメリットなどを理解・納得してもらうが「価値向上」です。
■施策例
ターゲットがブランドや商品について検索などをしたときに、より情報を伝えるための施策になります。
・USPやブランドメッセージの変更
・ブランドサイトのコンテンツ
・UGC活用(商品を利用しているユーザーレビューの掲載)
4.エンゲージメント向上(ファンにする)

優良顧客が少ないという課題がある場合必要なのが、「エンゲージメント向上」です。
売上を上げるためには通常顧客を、優良顧客及びファン化することで継続的に購買をしてもらったり、契約を継続してもらう事が有効です。
顧客との関係性を築いたり、顧客のロイヤルティーの向上をさせるための施策を行いましょう。
■施策例
顧客との関係性を築くための施策になります。
・SNSのコミュニティの活用
・メルマガ会員なのへの特典のクーポン
・利用者へのプレゼント(SNS)キャンペーン
5.機会促進(使うきっかけを作る、もっと使ってもらう)

そもそも利用者が少ない場合や、商品やサービスの利用頻度が低いという課題がある場合に必要なのが「機会促進」です。
売上をアップするためには、利用者を増やし、かつ利用頻度を上げる必要があります。
そのための機会を創出することが「機会促進」です。
■施策例
きっかけを作るための施策になります。
・クーポン配布
・クーポン配布の為のSNSキャンペーン
6.誘導(来てもらう)

来訪者が少なくコンバージョン達成のための母数が少ない場合に必要となるのが「誘導」です。
ブランドサイトで商品やサービスのことをいくら丁寧に説明したとしても誰も読んでくれなければ意味がありません。
何かしら課題を抱えている人を自社サイトなどに誘導し、商品やサービスとの接点を形成するのが「誘導」です。
■施策例
ブランドサイトにクリックしてもらうための施策になります。
・Web広告出稿(バナー広告、動画広告)
・リスティング広告
7.リード獲得(これからお客様になる人を身近に置く)

ターゲットが囲い込めていないという課題がある場合に、必要なのが「リード獲得」です。
BtoB向けサービスや高額な商品はすぐには購入せず、利用者は様々な検討を重ねた上で購入します。
このような商品やサービスを提供する場合、潜在顧客を獲得(リード獲得)し、育成することが重要です。
育成方法は通常SNSやメルマガでの情報発信になります。
■施策例
LINE、Twitter、Instagramのフォロワー獲得や、問い合わせからのメルマガ会員獲得をするための施策になります。。
・SNS運用(有益な情報を発信する)
・フォロワー獲得の為のSNSキャンペーン
・特典提供によるメルマガ会員獲得
8.販路拡大(仕入れてもらう)

流通に商材が取り扱われないという課題がある場合に必要なのが「販路拡大」です。
マーケティング戦略を検討する際に流通も重要なファクターの一つです。
いくら素晴らしい商品を提供したとしても消費者が購入する場所がなければ意味がありません。
流通に向けて商品を取り扱うきっかけを作ったり、商品を取り使うことで売上に貢献することを認識してもらうのが「販路拡大」です。
■施策例
店舗が商品を導入するきっかけになるための施策になります。セールスチームと共に施策を検討する必要があります。リアルでは販促用什器提供などもありますが、Webでは以下があります。
・店舗向け(その流通のみの)Webキャンペーン
・BtoB用(流通向け)Webサイト
9.推奨促進(クチコミをしたくなるキッカケを作る)

口コミが少ないという課題に対して、必要となるのが「推奨促進」です。
近年消費者の購買に大きな影響を与えるのが他のユーザーによる口コミです。
そのため、あまり口コミがWeb上にないと利用者が増えなかったり、購入促進に繋がりません。
口コミが少ないという課題がある場合、事業者に必要なのがユーザーに口コミをしてもらうためのキッカケを作ることが重要になってきます。これが「推奨促進」が必要です。
■施策例
口コミを行うきっかけとなるような施策です。
・LINEなどのお友達ご紹介キャンペーン
・利用者向けのSNSキャンペーン
└・上記で集めた口コミはUGCとしてブランドサイトに掲示
目的が明確になったら数値的な目標を設定しよう。
目的が明確になったら、それを数値的な目標に変換します。
どんなWebプロモーションをするとしても、わかりやすい目標値がないと、細かい設計がしにくいからです。
設計では目標値(KGI)から各KPIを設定し、KPIを達成する為に具体的なディレクションをしていく形となります。
目標値の設定方法は、
・現状の数値(事実)✕ 150% = 目標値
といった形で出します。
既存の商品であれば、ほとんどの目的に合わせた数値は調べれば出てくるはずですので、サイトアクセス状況、SNSの運用状況、流通量、販売数、顧客データなどから確認しましょう。
予算や時間に余裕があれば、リサーチや顧客アンケートを利用して、データを集めましょう。
またピクルスの場合は「認知拡大」や「認知向上」など、リサーチを使わないとわからないとされているところも、SEOツールを利用して商品名の検索量を確認することで、現在の状況を明確にしています。
過去多くの認知施策をやってきたところで、施策が成功すると商品名での検索量がアップするので、その法則を利用した計測方法になります。
「価値向上」などについても「商品名+○○○○」の○○○○が「感想」や「口コミ」などの検索量を把握すればよいです。
これは感想や口コミなどの検索がされるということは、既に自社が伝えている商品の価値を理解はしていて、それが本当なのかを調べるところとしての行動として現れているからになります。
上記は既存商品の場合なので、新商品や新サービスの場合まさに0スタートとなります。
その場合は過去の事例を元にして、目標値を作る形になります。
まとめ
繰り返しになりますが、マーケティング施策をより効果的に進めるために必要なのは、はっきりとした目的を設定することです。
自社のマーケティング活動やビジネスにどのような課題があるのかを明確にし、目的を絞り込みましょう。
最後の最後はいつもの宣伝です。
ピクルスは、マーケティングの上流工程となる課題の抽出から支援いたします。
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解説:タナカ ミノル
Webマーケター・クリエイティブディレクター
ピクルス代表。Webマーケティング及びWebディレクションのプロフェッショナル。2000年からWeb広告に携わり、300以上のWeb施策の企画及び制作を担当する。著書に「Webディレクションの新・標準ルール」「コンバージョンアップの手法99」など。AdobeMAXなどセミナー登壇も多数。
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